インドの自動車メーカーTata Motorsは現地時間3月23日、「Tata Nano」の市場販売を発表した。Nanoはインドの家庭向けに従来以上の普及を目指して設計された4輪小型車。インド自動車業界の積極的な動きを示すとするアナリストもいる。
PricewaterhouseCoopersの自動車アナリストAbdul Majeed氏は、ZDNet Asiaの電話取材に対し、「Nanoはインドに適している。インドの成熟を示している」と論評した。
Tataは2008年1月にNanoを発表した際、同社はNanoを超満員の屋根のないスクーターから1つステップアップした「people's car(庶民の車)」であるとしていた。
こうした、Nanoの背景で原動となる考え方は今も変わらない。Tata SonsとTata Motorsの会長Ratan Tata氏は23日に声明で、「かつて世界が不可能と言った自動車が今現実のものになった。これがTata Motorsチームの功績だ」と述べた。「安全で手頃な4輪自動車を、これまで手が届かなかった家庭に提供するのがわたしの望みだ」(Tata氏)
車両寸法は高さ1.6m×幅1.5m×全長3.1mだが、同社はTata Nanoを「車内は信じられないくらい広く、大人4人が楽に座れる」と述べた。同社は続けて次のように述べている。
Tata Nanoの車体はインドで最小であるが、車内は現在入手可能な最小の自動車より21%も広い。座席の位置が高いため乗り降りが容易になっている。車体が小さいだけでなく回転半径も4mしかないため、小さな駐車スペースでも容易に出し入れできる。
4速トランスミッションで重量が600kgのNanoは、小さな車体の後部に2気筒624ccのガソリンエンジンを搭載し、最高速度は時速105km、30%の勾配でも登坂可能だ。燃費は1リットル当たり23.6km。
Nanoは4月から販売店の店頭に展示され始め、納車は7月から開始される予定。価格は約2000ドルからとなる見込み。
同社取り組みはインド国内市場に向いているが、Tataはまた、欧州および米国市場に対しても目を向けているようだ。Indo-Asian News Serviceによると、Ratan Tata氏は23日、同社は欧州向けNanoを2011年に、米国向けNanoをおそらく2012年頃に計画していると述べたという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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