カリフォルニア州パームデザート発--2009年のDEMOカンファレンスは小規模だった。出展企業はわずか39社で、60社以上になる例年より減少した。来場者も少なかった。しかし、良い企業がいくつか参加しており、しっかりとしたビジネスモデルもあった。米CNETのシニアライターであるDaniel Terdimanと筆者は、このカンファレンスから7社を選出した。
Always Innovatingの「Touch Book」:そう、これはよくあるネットブックだ。しかし、取り外し可能なキーボードとタッチスクリーンインターフェースが、Touch Bookを魅力的な製品にしており、またそのARM CPUとLinuxのカスタムビルドは、この製品をコンピュータ専門家受けするものにしている。ホームユーザーが衝動買いするにはやや高価すぎるかもしれないが、新しい種類のネットブックである。
Terdiman記者は、eFormicの「CO2code」のイニシアチブをとても気に入っていた。これは、消費財のUPCコードをすべて索引付けして、消費財の炭酸ガス排出量データベースを作成するというものだ。自分が購入した品物がどれくらいの二酸化炭素を大気中に排出しているか調べて、このサイトでそれに見合ったオフセットを購入することができる。このサービスは、家庭用のUPCスキャナと組み合わせたり、食料品店のロイヤリティープログラムと提携したりできれば良いと思う。
Skoutは、優れた位置認識可能なデーティングサービスを提供しているが、ある工夫をしている。Skoutは、近くのSkoutユーザーを認識する、バーのキオスク端末(実世界では「ジュークボックス」と呼ばれる)向けのソフトウェアも作成しているのだ。このソフトウェアで、地元の出会いの場所は広がる。しかし、そうしたキオスク端末の1つを使って、モバイルユーザーとチャットしたい場合、その特別サービスに対して料金を支払わなければならない。これは今のところ定額料金だが、なぜ接続に変動価格を適用するべきでないのかは分からない。このサービスがどんなものかを考えれば、なぜそんな困ることをするのだろうか。
筆者は、記事探索サービスの「ensembli」をとても気に入っている。以前書いたように、業務に使うには包括性や信頼性が不十分なようだが、カスタムコンテンツをユーザーに紹介する方法としては、これまで見た中で最もシンプルだ。
Avaakの「Vue」カメラシステムは、現在の状態には少し不安があるものの、うまくできた製品で、価格が手ごろであり、非常に便利に使えそうだ。また、独自開発のテクノロジ(低電力無線メッシュネットワーク)を使用している。デモもよかった。カンファレンスに参加した多くの人が、できるだけ早くこのシステムを買えるようになるのを楽しみにしていると語った。
Asurionは、「Android」モバイルフォン向けのコンタクトマネージャを発表した。これは単なる電話帳機能ではなく、ユーザーのあらゆるソーシャルネットワークからの連絡先をすべてまとめるアプリケーションだ。「Palm Pre」で、これに非常によく似た機能が使用できるようになると予想される。さまざまなプラットフォームで利用できるようになるのは歓迎だ。
Silverstone Solutionsについて、筆者は当初は懐疑的だったものの、やはり気に入っている。これは、腎臓移植のマッチングサービスで、単なる1対1マッチングにとどまらない追跡作業を行う。これは命を救うことができるのだ。好きにならないわけがない。
残念ながら、DEMOカンファレンスのブービー賞は「BluBuzz」に贈らなければならない。これはBluetoothを利用したロケーションベースマーケティングだが、うまくいかないと筆者は考えている(Bluetooth無線機能をオンのままにして、ファイル転送をいつでも受信可能にしているモバイルユーザーが、一体どれほどいるだろう)。BluBuzzは、ユーザーにアプリケーションのインストールも求めている。そして、気の毒なことに、デモはうまくいかず、発表者の1人はせりふを忘れてしまったようだった。このカンファレンスでは踏んだり蹴ったりだったが、筆者はこのサービスをもっと調べて、デモでは分からなかった価値があるかどうか見てみるつもりだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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