Advanced Micro Devices(AMD)の元製造部門は、先ごろ同社から正式に独立し、米国時間3月4日に「GLOBALFOUNDRIES」として発足した。
この新会社は、ニューヨーク州をチップ開発および製造の中心地にするとみられている。
これまで「The Foundry Company」という仮称で呼ばれていたGLOBALFOUNDRIESのトップには、AMDの製造部門担当シニアバイスプレジデントだったDoug Grose氏が就いた。取締役会長にはAMDの前最高経営責任者(CEO)であったHector Ruiz氏が就任する。本社はカリフォルニア州サニーベール。
AMDの分社は、スタート段階から課題をもたらすことになるだろう。AMDは基本的にはチップの設計会社となる。Grose氏は3日の電話インタビューで「われわれは一歩下がってAMDを多くの顧客の1社として尊重しなければならないだろう」と述べている。このことはAMDにとってはまったく初めての経験というわけではなく、同社のATIグラフィックスチップ部門はTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)と長い間、製造取引関係を保っているとGrose氏は言う。「AMDはそうした苦しさを知っているし、方法論も整っている」(Grose氏)
当面の間、製造はドイツのドレスデンが中心となるものの、GLOBALFOUNDRIESでは2009年中に、ニューヨーク州サラトガ郡のLuther Forest Technology Campusに、42億ドルをかけて製造施設を建設する予定である。これによって、サラトガ郡の比較的近い場所にチップの開発および製造拠点を持つ、IBMとの現在の研究開発の関係が強化されるものとみられている。AMDは2008年、ニューヨーク州北部のこの地帯を、「ナノテクノロジにおいて世界をリードする地域の1つ」と表現していた。
Grose氏は、GLOBALFOUNDRIESはIBM連合の「もう一方のサイド」である「業界標準製品」の側に加わったと述べている。つまり、AMDはハイパフォーマンスPC用プロセッサを中心としたテクノロジに重点を置いていたが、GLOBALFOUNDRIESは、「市場の大半を占める」いわゆる「バルク」チップテクノロジに注力することになるとGrose氏は言う。「それは、コンシューマー、ハンドヘルド、ワイヤレスからグラフィックス市場に至るまですべてだ」(Grose氏)
GLOBALFOUNDRIESは、次世代32ナノメートル(nm)および28nmの製造プロセステクノロジを、「最先端カスタマーのスイートスポット」としてターゲットにしているとGrose氏は語った。GLOBALFOUNDRIESのドレスデンの施設では、2010年に32nm製品の生産を開始する計画である。ニューヨーク州では32nmやそれ以下のサイズを中心とし、生産開始は2012年を予定している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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