頓智・がiPhone向けアプリケーション「セカイカメラ」を、2月17日から2月19日まで開催されていたファッション展示会「rooms」で初披露した。
セカイカメラとは、「エアタグ」と呼ばれる情報を目の前の空間に登録したり、それをiPhoneの画面越しに見たりできるアプリケーション。現実の空間にインターネット上の情報をオーバーレイできる仕組みを実現する。写真によるレポート記事はこちら。
頓智・CEOの井口尊仁氏によれば、現在のセカイカメラの完成度は「100%のうち3%程度」だという。それでもエアタグをテキスト、写真、音声として投稿でき、その場で閲覧することはできる。また既存のエアタグにコメントを残して、ツリー状にぶら下げるといったコミュニケーションも可能だ。実際に使っている様子は下のビデオを見てほしい。
井口氏は「近いタイミングでリリースしますが、その時点で5%くらいはできあがっていると思います」と語り、製品版に加わる予定の「エアシャウト」「エアポケット」という2つの新機能を紹介してくれた。
エアシャウトはエアタグを空間に置くだけでなく、それを飛ばすというアクションを実現するもの。目の前の空間だけでなく、距離の離れた対象に向かってエアタグを飛ばすことができるという。
基本的にセカイカメラは現地に出向かないと、その場所にあるエアタグを見ることはできないが、エアポケットは、エアタグをポケットに入れて持ち帰れるようにする機能だ。
Android版のセカイカメラも開発を進めており、すでに動く状態にあるという。「(Android版は)iPhone版よりもさらにアドバンスしています。なぜかというと、コンパスを内蔵していますので角度が自動的に取得できますから、非常に使い勝手がいいんです」(井口氏)。
セカイカメラの収益化の方法としては2つのプランを検討しているという。1つは「エア看板」と呼ばれるサービスだ。井口氏によれば、エアタグはユーザーのプロフィールもやり取りできるため、ユーザーごとに適切な広告を表示できるという。
もう1つは「エアキャラ」というサービス。「エアペット」とも呼ばれるそうだ。「セカイカメラをかざすと愛すべきペットがいてくれて、パートナーとして仲良くなってくれたり、情報を探してきてくれたり、友達を作ってくれたりする。そういうユーザーのエージェントみたいなサービスを考えています」(井口氏)。
パリ郊外の科学技術博物館「CITE」では、数年以内にセカイカメラを通じて、過去の来訪者が残したタグを見ながら展示の鑑賞が楽しめるようにするという計画も明かした。
「セカイカメラでクリッカブルな世界を実現したい。しかも僕らだけで進めるのではなく、いろいろな情報コンテンツのパブリッシャーと一緒にやっていきたいと考えています」(井口氏)
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