任天堂、今3月期最高益更新でも株価ストップ安の怪

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 任天堂は1月29日の取引終了後、同社の2009年3月期の連結営業利益が5300億円(前期比9%増)と過去最高利益を更新する見通しだと発表した。ところが、翌30日の東京株式市場で、任天堂の株価は寄り付きから大量の売り物を浴びて、前日比ストップ(4000円)安の2万8300万円まで売り込まれた。大手の電機、自動車メーカーが相次ぐ中での最高益更新にもかかわらず、翌日の株価が急落したのか、その背景を探った。

 同社は、2009年3月期通期の連結業績について、売上高1兆8200億円(前期比9%増)、営業利益5300億円(同9%増)、経常利益3700億円(同16%減)、純利益2300億円(同11%減)となった。金融危機に伴い世界が大不況に見舞われる中で、市場関係者のあいだで「トヨタ、パナソニック、日立製作所など日本を代表する巨大企業が相次いで大幅な赤字転落を強いられる中で、任天堂の連結営業利益5300億円は、今3月期の日本企業の中ではトップに踊り出る可能性は濃厚だ」との見方が浮上するほどの快挙とさえいえる。

 好業績の背景は、主力商品の家庭用据え置き型ゲーム「Wii(ウィー)」や携帯型機種の「ニンテンドーDS」が欧米のクリスマス商戦で順調な売れ行きを確保したためだ。2008年1年間の欧米での販売台数はwii、DSともにゲーム機としての年間最高記録を更新した。

 しかし、好調な業績見通しを明らかにした翌日にストップ安まで売り込まれた背景について外国証券のアナリストは「確かに営業利益は最高益を更新したものの、小幅ながら従来予想に比べて下方修正されたことが?ネガティブサプライズ?と受け止められたようだ」としている。確かに売上高は従来予想の2兆円から1兆8200億円へ、営業利益は6300億円から5300億円へ、経常利益5800億円から3700億円へ、純利益3450億円から2300億円へとそれぞれ下方修正した。さらに、予想年間配当も従来予想の1630円から1370円へと減額修正した。

 また、主力商品の今3月期の販売目標についても、DSハードは従来予想の3050万台から3150万台と上方修正されたものの、wiiハードは2750万台から2650万台へ、DSソフトは2億700万本から1億9300万本へ、wiiソフト2億本から1億9300万本へとそれぞれ下方修正した。

 しかし、一方では「今回の下方修正の要因を分析してみると、円高に伴い従来予想の為替差損が820億円から2000億円と大幅に膨らんだことが主な要因といえる。したがって、世界的に個人消費が大きく落ち込む中で、任天堂の本業は十分健闘しているといえる。翌日のストップ安はやや過剰反応なのではないのか」(準大手証券の投資情報部)との見方も出ている。 同社は09年1〜3月期の想定為替レートを従来予想の1ドル=100円から90円へ、1ユーロ=140円から120円へとそれぞれ見直した。

 同社の株価は、08年6月26日に6万3900円の高値をつけて以降下落を続けて同10月28日には2万1600円の昨年来安値をつけた。その後反転上昇に転じて09年初の1月6日に3万6800円をつけた。今後しばらくは、3万円を挟んだ水準でのもみあい相場が続きそうだ。

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