Obama米大統領は、経済回復諮問委員会(ERAB)のメンバーにシリコンバレーのリーダー2人を指名した。ERABは16人の委員で構成され、現在の極めて深刻な不況下で大統領に経済面でのアドバイスを行う。
そのうちの1人は、ベンチャーキャピタルKleiner, Perkins, Caufield & Byers(KPCB)のパートナーを務める億万長者のベンチャーキャピタリストJohn Doerr氏。Doerr氏はかつて、Google、Amazon.com、Sun Microsystems、Cypress Semiconductorへの出資に関わり、現在はAmazonやGoogleなどの取締役を務めている。また、最近は環境技術に関心を寄せている。
もう1人は、Oracle社長のCharles Phillips氏。Phillips氏は2003年5月に同社の社長に就任し、それ以前はMorgan StanleyのInstitutional Securities Divisionに在籍していた。同氏はLinuxの熱狂的支持者で、2005年には「オンデマンドこそ、この先長く続く未来のソフトウェアの形であり、われわれはLinuxでそれを構築している」と述べている。
Obama大統領は米国時間2月6日、ERABが大統領とスタッフに自主的なアドバイスを行うことを期待すると語った。同委員会の委員長はPaul Volcker氏が務める。Volcker氏は、Jimmy Carter、Ronald Reagan政権下で連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めた伝説的な人物だ。
Obama大統領は、「この諮問委員会を立ち上げた目的は、ワシントンD.C.の反響室以外からさまざまな意見を集め、雇用回復と経済の再活性化に向けた取り組みに際し、あらゆる手段を使えるようにすることにある」とし、さらに次のように続けた。「わたしがさまざまな意見を聞き、判断力を磨けるように、われわれは定期的に会合を開く。委員会には率直な意見と、より広い世界からの情報収集を求める」(Obama大統領)
Doerr氏とPhillips氏はこれまでも、民主党を積極的に支援してきた。Doerr氏と同氏の妻は米国でも有数の政治献金者で、2006年の中間選挙では民主党に20万9680ドルもの献金を行い、政治献金データベースOpenSecrets.orgでは「強力な民主党支援者」の評価を得ている。またPhillips氏もHillary Clinton氏、John Edwards氏などに資金を提供した。
またDoerr氏とPhillips氏の他に、カリフォルニア大学バークレー校ハースビジネススクールの学部長を務めるLaura D'Andrea Tyson氏もERABのメンバーに指名された。
しかし、大統領に経済的助言を行う組織や機関は、ERAB以外にも、大統領経済諮問委員会(CEA)、財務省、商務省、FRBなど、多数存在することから、同委員会がどれほどの影響力を持つことになるかは依然不透明だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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