市場調査会社iSuppliがResearch In Motion(RIM)の新型スマートフォン「BlackBerry Storm」を分解して調べたところ、同端末の部品価格の総額がAppleの「iPhone 3G」のそれを上回ることが分かった。
iSuppliによると、Stormの部品価格の総額はおよそ203ドルだという。Stormの独占販売権を有するVerizon Wirelessは、同端末を2年間のサービス契約締結を条件にリベート適用価格199ドルで販売している。一方、2008年夏に発売されたAppleの8Gバイト版iPhone 3Gの部品価格の総額は174ドルだ。iPhoneの独占販売権を有するAT&Tは、この端末を2年間のサービス契約締結を条件に199ドルで販売している。
これらの端末価格には、ソフトウェア、特許ライセンス、流通にかかるコストは含まれておらず、実際の物理的な部品の価格だ。29ドル程度なら大した差ではないとも思えるが、端末の売れる数を考えれると、これは大きな差になる。
Verizon、RIMともに、これまでに売れたBlackBerry Stormの台数を公表していないが、報道によると、発売後1カ月間の販売台数はおよそ50万台だという。一方、Appleは第一世代のiPhoneを発売後2カ月間で110万台売り上げた。その後、iPhoneの販売台数は急増した。
では、なぜStormの部品価格がiPhoneのそれよりも高いのか。
これにはいくつかの理由が考えられる。第1に、iPhone 3Gは第2世代の製品であり、Appleはサプライヤーから、より低価格で部品を仕入れている可能性がある。しかし、StormはiPhone 3Gよりも複雑で、より多くの部品を必要とするとiSuppliは指摘する。同社によると、Stormに使用されているコンポーネントの総数は1177個で、そのうち151個は機械部品だ。一方、iPhone 3Gのコンポーネントの総数は1116個だ。
またStormには、iPhoneよりも多くの無線技術が搭載されている。例えば、通信規格EV-DOや、CDMA 2000、GSM、WCDMA、HSDPAに対応している。これにより、世界各国でさまざまなキャリアネットワークを利用したローミングが可能だ。
Stormがより高価であるもう1つの理由として、Qualcomm製の高価なチップが使用されていることが挙げられる。Qualcomm MSM7600ベースバンドプロセッサの価格はおよそ35ドルで、Stormの総コンポーネントコストの17.2%を占めている。
RIMにとって最初のタッチスクリーンデバイスであるStormは、VerizonのiPhoneキラーになるはずだった。しかし、同端末の購入者はソフトウェアのバグやハードウェアの不具合について不満をこぼしている。今週のWall Street Journalの記事には、VerizonとRIMが、準備万端ではない状態で急いで製品を市場に投入したことを示唆している。同記事にはRIMの共同最高経営責任者のJim Balsillie氏が、Stormについて、10月発売という当初の計画を実現できず、ブラックフライデー(感謝祭の翌日にあたる金曜日)の期限にRIMとVerizonは「やっとのことで間に合った」と発言したと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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