ソニーが第3四半期決算を発表、180億円の営業損益に

加納恵(編集部)2009年01月29日 21時01分

 ソニーは1月29日、2009年3月期(2008年10月〜12月)、第3四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比24.6%減の2兆1546億円、営業利益は180億円の損益となった。

 営業利益悪化の要因としては、米ドルおよびユーロに対する円高約1270億円、ソニー・エリクソンなど持分法適用会社の業績悪化約577億円、日本の株式相場の大幅下落と金融分野における損失拡大約332億円などを挙げている。

執行役EVP兼CFO 大根田伸行氏 執行役EVP兼CFO
大根田伸行氏

 中でも円高による影響が大きかったエレクトロニクス分野では、売上高が前年同期比29.3%減の1兆4621億円へと減少。製品別ではコンパクトデジタルカメラ「Cyber-shot」、ビデオカメラ「HANDYCAM」、PC「VAIO」などが大幅な減収になったとのこと。

 159億円の損失を計上した営業損益に関しては、液晶テレビ「BRAVIA」、VAIO、Cyber-shotが損益要因として挙げられている。

 第2四半期(2008年7月〜9月)の時点で、堅調に推移していたゲーム分野は売上高で同32.2%減の3938億円に、営業利益は同97%減の4億円となった。

 販売台数ベースでは「プレイステーション・ポータブル」(PSP)が前年同期比68万台減の508万台、「PLAYSTATION 3」(PS3)が同44万台減の446万台となり、売上数量の減少が減収に結びついたとのこと。「PSPは当初、2008年度の売上台数を1600万台程度と見ていたが、クリスマス商戦が厳しかったため、1500万台へと落とした」(執行役EVP兼CFO 大根田伸行氏)と年末商戦で苦戦が強いられたことも明らかにした。

 ソニーでは、2009年3月期の連結業績予測を、売上高7兆7000億円、営業利益は2600億円の損失と発表している。第3四半期では営業損益180億円とされたため、第4四半期での損益がかなりかさむ見通しだ。

 これに対しては「10月から12月にあたる第3四半期は、通常(売上が)上がってくるはずの時期だが、これが下がっている。この動きは第4四半期も続くだろう。為替状況を見ても、第3四半期では1ドル95円、1ユーロ125円としていたものが、第4四半期では1ドル90円、1ユーロ120円へとより円高傾向になり、インパクトはあると見ている」(大根田氏)とした。

 2008年度当初に黒字化を目標としていた液晶テレビBRAVIAに関しては、「予想以上に価格低下が進んでいる。年初に大型モデルで25%程度とみていた下落率は30%程度に、20〜22%と見ていた小型モデルは25%程度となり、平均すると5%近い値下がりとなった。さらに、液晶テレビはパネルをドル建てで購入しているため、ドル−円に強い体質だが、これをユーロで使うことによって、影響が出た」(大根田氏)と減益となった理由を挙げた。

 さらに「あえてもう1つ理由を挙げるならば」と前置きした上で「戦略的に液晶パネルを早い時期におさえたが、それが想定以上に下がってしまった」と続けた。

2009年3月期第3四半期連結業績2009年3月期第3四半期連結業績(クリックすると拡大します)

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