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世界を変えるケータイサービスを日本から--三井ベンチャーズの最優秀プランが決定

永井美智子(編集部)2009年01月21日 21時13分
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 世界を変えるような携帯電話向けのソフトやサービスを日本から発信したい――このような考えのもとで開催された、三井ベンチャーズの開発プランコンテスト「三井ベンチャーズ i*deal Competition」の最終選考会が1月20日に開催された。ここでは10倍の競争を勝ち抜いた5組が、それぞれの製品やサービスを披露した。

 このコンテストはiPhoneやAndroidなどの次世代モバイルプラットフォーム上で提供されるサービスやアプリを対象としている。この日に行われたプレゼンテーションをもとに、最優秀プランが1件、優秀プランが2件選出された。

音でデータを送信する「サウンドコード」

フィールドシステムの津久間孝成氏 最優秀賞を受賞したフィールドシステムの津久間孝成氏

 最優秀賞に選ばれたのは、フィールドシステムの「サウンドコード」という技術だ。これはURLや文字列などを音声データに変換して伝送するというもの。12〜13kHzの可聴音域を使っているため、既存のスピーカーやマイクをそのまま利用できる点が特徴だ。

 フィールドシステム取締役の津久間孝成氏はサウンドコードを開発した経緯について、「ラジオを聴いていると、『詳しくはサイトで』とURLを言われることがよくあるが、そんなに急にメモは取れない。また、携帯電話ではQRコードが普及しているが、読み取る方法がわからない人もいる。もっと簡単にできる方法はないかと思った」と話す。

 デジタルデータの伝送で使われているCRC(巡回冗長検査)やプリアンブルと呼ばれる技術を使って、安定してデータを送れるようにした。CRCは誤り検出符号の一種で、データが壊れていないかをチェックするもの。プリアンブルはデータの出だし部分を知らせてタイミングを同期させ、データを正しく認識するためのものだ。

 サウンドコードはほかの音楽などに重ねて送信できるため、店内放送やテレビCMなどに忍ばせることが可能だという。店舗に入るとおすすめ情報が携帯電話に自動的に配信される、といった使い方を想定している。なお、フィールドシステムはサウンドコードに関して国内で2件の特許を取得しているとのことだ。

 フィールドシステムはこれまで、携帯電話向けのFlash待ち受けなどを制作、販売していた。同社取締役の津久間孝成氏は今回の受賞について、「グラフィックではなく技術が認められたのは初めて。当社にとっても転換点になる」と喜んでいた。

 今後はパートナー企業とともに技術開発を進めながら、サウンドコードを商品化していく考え。まずはソフトウェアとして提供し、将来的には半導体に組み込んで携帯電話などに搭載したいとした。

サウンドコード 特許を取得しているというサウンドコードの技術。ほかの音にサウンドコードを忍ばせることができる

無料ケータイの可能性を秘める「Ring Back Web」

 優秀賞は、三井ベンチャーズ賞にP&Kの「Ring Back Web(RB Web)」が、メディアスポンサー賞にdropping, Inc.の「Penny」が選ばれた。

平出心氏 Ring Back Webを開発した平出心氏

 Ring Back Webは、電話の呼び出し中、携帯電話の画面上に設定した動画などを表示できる技術。音楽を鳴らすサービスとしてはNTTドコモの「メロディーコール」やauの「EZ待ちうた」があるが、これらのサービスを拡張したようなイメージだ。なお、P&Kは日本Androidの会の幹事を務める平出心氏らによるグループ。

 これを利用するには、あらかじめ専用サイトで表示するデータを設定する必要がある。YouTubeの動画や画像、テキストなど、インターネット上にあるコンテンツであれば何でも設定できるという。「ただいま会議中です。ご用件のある方はメールにて連絡ください」と状態を表示したり、コールセンターがFAQを表示したりする使い方も考えられるとのことだ。

 収益モデルとしては、ユーザーにサービス利用料を課金するほかにも、広告を設定する代わりに無料電話として企業がユーザーに配る方法や、ユーザーが広告を表示して収入を得る方法などが考えられるという。特に無料電話は、発展途上国などでも受け入れられるのではないかと話した。

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