昨年お茶の間を騒がせた『食の安全性』。食品の偽装や中国製食品の中毒など、次々と事件が起こった一年だった。食の安全に関する一連の調査結果を振り返り、ネットユーザーの意識をまとめた。
5月には「比内地鶏」、6月には「船場吉兆」の「但馬牛」など、偽装事件が相次いだ。6月の食品偽装に関する調査では、食品は“安さ”と“安全性”どちらを重視するか?との問いに6割以上が“安全性”と答え、“安さ”の2割強を上回った。また、食品を購入する時、価格以外で気にするものについては、冷凍食品・加工食品いずれの場合においても「賞味期限」「生産国」「原材料の産地」がトップ3となった。
9月の事故米に関する調査においては、ほとんどの人が事件を認識、半数近くが「食べてしまった」もしくは「食べたかも知れない」と回答している一方で、7割弱が飲食などで事故米が利用されていないかどうかを「特に気をつけていない」と答えるなど、危機感はまださほど深刻ではない様子がうかがえた。しかし9割弱が「類似した事件が今後もあると思う」としていることから、食の安全に対する信頼が失われつつあるのかもしれない。
ペットについての意識はどうなのか。11月のペットフードの安全に関する調査では、ペットを飼っている人の8割半がペットフードの安全性に「不安がある」と回答。また、3割弱が「安全性について調べたことがある」と答えており、ペットフードについても『食の安全性』への意識があることが読み取れる結果となった。
昨年は中国製のギョーザやいんげん、乳製品での中毒事故など、中国製の食品に関連する事件が目立ったが、国産食品への回帰について探った12月の調査によると、スーパーなどで食品を購入する際に「国産かどうかを意識している」としたのは実に8割を超えた。国産の食品についてのイメージは、「高価」のほか「安心」「安全」が6割前後となっており、たとえ高価でも、安全のため国産品を買う人が少なくないようだ。
こうしてみると、ネットユーザーは「食品表示」についてかなり懐疑的になっており、「安心・安全」のためには多少の出費もいとわない傾向がある。生産者、提供者はこうした消費者意識の高まりを軽視せず、モラルの維持を心がけて欲しい。2009年は『食の安全』への信頼がゆらぐ事件が繰り返されないことを願いつつ、消費者の意識の変化もさらに注視を続けたい。
調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。
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