イスラエル国防軍(IDF)は2008年12月下旬、パレスチナ自治区ガザにおける空爆をウェブでも伝え始め、同地区を実効支配するイスラム過激派ハマスに対する爆撃の様子を収めたビデオをYouTubeに投稿したり、Twitterを利用してメッセージを広めたりしている。
複数のニュース報道によると、IDFはYouTubeに専門のチャンネルを開設し、ハマスの武器庫に対する攻撃の様子を空中からとらえた白黒の動画や、ロケット弾をトラックに積み込むハマスの「テロリスト」を写した動画などを掲載しているという。
IDFの広報担当者は、YouTubeのプラットフォームを利用し、ガザ地区における「IDFの作戦の成功を示す独占映像」を提供することによって、「われわれのメッセージを世界に伝えるのに役立てている」と述べた。
イスラエルは現地時間12月27日、ハマスによるイスラエル領へのロケット弾攻撃を阻止する目的で、ガザ地区への空爆を開始した。
また、ニューヨークのイスラエル領事館は、若者たちから自国の立場への共感を集める狙いで、Twitterのフィードを開始した。12月29日の提供開始以来、2900人以上がフォローしている。
同領事館の広報担当者であるDavid Saranga氏は、CNNの報道の中で次のように述べた。「われわれは、ガザの状況に関して非常に活発な大論争が行われていることを知り、イスラエルの視点を知ってもらいたいと思った。Twitterの利用者とそうした視点を共有したいと考えたのだ」
「われわれは、従来のメディアには目を通さないものの、中東情勢に関心を持つ若い世代に考えを伝えたかった。そこで、人々の疑問に公式に答えるのにTwitterが有効な手段だと考えたのだ」(Saranga氏)
IDFがYouTubeに掲載したビデオの中には、削除されたものもある。おそらくは、「不適切なコンテンツ」の掲載を禁じる同サイトのポリシーに抵触したせいだろう。YouTubeにはユーザーが不適切な動画にフラグを立てる機能があり、そうした動画がYouTubeのガイドラインに違反しているとみなされた場合は削除される。
しかし、後になって再掲載された動画もある。
YouTubeのポリシー責任者であるVictoria Grand氏はCNNの報道の中で、IDFのビデオについて直接触れることは避けながらも、次のように述べた。「時には、ユーザーによってフラグを立てられた動画が誤って削除されることもある。そのような事態に気付いた場合、われわれはそのコンテンツを再検討し、適切な対応をとる。その結果、削除された動画を再掲載することもありうる」
IDFはYouTubeのチャンネルに掲載した声明の中で、「われわれは、YouTubeがわれわれの独占映像のいくつかを削除したことに悲しんでいる」と述べた。
「イスラエル国家を破壊しようとする勢力に再び直面しているため、われわれIDFは、自国に向けられた非人道的な行為とそれを阻止する取り組みを世界に示さなければならない」(IDF)
FoxNews.comによると、イスラエルは、いかなる制限もなしにビデオを閲覧することのできるブログを独自で立ち上げる計画だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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