英国主導による、人工衛星を月の軌道に乗せるミッションが、打ち上げに向けて進展してきた。同ミッションにより、将来、月面コロニーの居住者が携帯電話を使用してやりとりすることが可能になる見通し。
英国国立宇宙センター(British National Space Centre:BNSC)は、Moon Lightweight Interior and Telecom Experiment(MoonLite)ミッションの技術的な実現可能性に関する調査に着手する計画であることを発表した。
この調査報告は2009年後半に、ミッションの完全なスケジュールおよびコストも含めて発表される方針。BNSCによると、調査結果次第で、このMoonLiteミッションは、2014年ごろまでに立ち上げられるという。
このミッションは、人工衛星を月軌道に送り、通信ステーションとして使用する計画である。同ステーションは、月面上の複数の惑星物理学用機器ネットワークからのデータを地球に中継するため使用される方向。
この惑星物理学用機器によって月震の頻度や強さ、そして月の地殻と核の厚さに関するデータを集計され、月の極地地域で有機物質や水が存在するかどうかの測定もできる見込み。
この科学的データを地球へ中継することに加え、この人工衛星システムにより、米航空宇宙局(NASA)が2020年以降に建設を望んでいる月面基地に居住する植民者たち向けに、完全なモバイル通信環境が確保されるはずである。
英国の科学技術大臣であるPaul Drayson氏は、このミッションが月の組成に関する根本的な疑問を解明するだろうと述べた。
BNSCは、調査の結論が報告されるまで、MoonLiteミッションの開始、建造、打ち上げの決定がなされる予定はないと述べる。
この実現可能性を調査する契約への入札プロセスは、2009年春まで続く。調査自体は9カ月が見込まれ、NASAのサポートも受ける見込み。NASAは、このミッションへの支援として、科学技術面でNASAができるあらゆる貢献の可能性を探っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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