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2009年はドコモの年?--モバイルコンテンツ業界の有識者が議論

永井美智子(編集部)2008年12月02日 11時44分
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 電子書籍市場やモバイルSNS、乙女ゲームとも呼ばれる恋愛ゲームなどが人気を集めた2008年のモバイルコンテンツ業界。2009年はどういった動きが予想されるだろうか。

 11月28日に東京都内で開催されたモバイルコンテンツ関連のイベント「MCF Mobile Conference 2008(mobidec2008)」では、通信・ITSジャーナリストでIRIコマース&テクノロジー客員研究員の神尾寿氏、エフルート代表取締役会長の佐藤崇氏、魔法のiらんどコンテンツ事業部部長の草野亜紀夫氏、寺島情報企画コンテンツ事業部部長の水野和寛氏の4名が、2009年のモバイル業界を予測した。なお、モデレーターはKLab代表取締役社長の真田哲弥氏が務めた。

 ディスカッションは真田氏が2009年のモバイル業界予測に関する質問といくつかの回答を挙げ、その中から真田氏を含む5名がそれぞれ投票するという形式で進行した。

寺島情報企画の水野氏、エフルートの佐藤氏、魔法のiらんどの草野氏、ジャーナリストの神尾氏 真田氏の質問に札を上げて答えるパネリストたち。左から寺島情報企画の水野氏、エフルートの佐藤氏、魔法のiらんどの草野氏、ジャーナリストの神尾氏

 真田氏が真っ先に挙げた質問は「2009年のキャリア競争、『勢い』『競争力』があるのはどこか」というもの。NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルの4社のうち、もっとも支持を集めたのはドコモだった。

 ただし、ドコモが圧倒的に強いというより、他キャリアが見劣りするという意見のようだ。神尾氏は「ソフトバンクモバイルはつまづきかけており、数字上は勢いがあるように見えても失速するだろう。auはがんばっているが、来年ではまだ厳しい。イー・モバイルは業界を引っ張るほどではなく、“不戦勝”でドコモだ」と厳しいコメント。ただし、ドコモの解約率が1%を切っており、今冬モデルの投入で他社キャリアからの乗り換えもあるだろうとして、「悪いところを直したドコモが勝ちに行くのではないか」(神尾氏)とも話した。

アーリーアダプター層が飛びつけない新端末

 ドコモ、au、ソフトバンクモバイルはそれぞれ、待受画面上でアプリを動かせるウィジェット対応の機種を今冬に投入する。また、ドコモは「iコンシェル」という新サービスを開始した。これらの機能については、「対応端末が普及したら参入する」と答えた企業が多かった。

 この点について神尾氏は、「対応端末が普及するまでちょっと待つという戦略は正しい」と話す。「アーリーアダプター層は、905iが出たときに端末を買ってしまった。2年払いの端末代金を支払っている最中なので、新しい端末に飛びつけないという状況がある」(神尾氏)

 今までは新機能に対応した端末をいち早く購入するアーリーアダプター層が一定数いて、そういった人を中心に新サービスが普及していた。しかしこのルールが、端末の割賦販売制度の導入で変わってしまったと神尾氏は言う。

 「アーリーアダプター層が2年に1回しか新端末に飛びつかないというのは、コンテンツプロバイダーにとって逆風だ。これから端末を買う人たちは、アーリーアダプター層ではない。これを解消するにはゼロ金利の割賦販売をやめるしかない。また、バリューコースの新規一括払い契約にすると端末がかなり安くなる『バリュー一括』の導入が、(高い端末価格に対する)ユーザーの不信を買っている」(神尾氏)

 ただ、寺島情報企画はいち早くiコンシェル対応サービスを提供する方針だ。「10代から20代の人にウィジェットが使われるかというと難しい」として、待ち受けキャラクターを配信していくという。「10代から20代に一番わかりやすく伝わるのが待ちキャラかなと思った。イケメン執事が出てくるものを配信する予定だ」(水野氏)

 寺島情報企画はiPhone向けのアプリも配信中だ。「国内市場が縮小していくなかで、新たなコンテンツプロバイダーの収益源になるのではないか。11月初旬に無料アプリを2本、有料アプリを2本配信した。売上としてはまだ厳しいが、無料アプリは配信開始から2週間で10万ダウンロードされた」(水野氏)。iPhoneは世界中で1000万台以上販売されていると言われており、市場の大きさが魅力だとした。

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