サンフランシスコ発--Microsoftは米国時間11月17日、企業はソフトウェアの運用を自ら行わず、Microsoftに委託すべきだと主張した。Microsoftがこのような主張を行ったのは、恐らく同社の歴史上初めてのことだろう。
Microsoftは、ビジネスソフトのホスティングや運用を企業が自ら行うよりも低価格で効率よく行えると考え、数年前からそれを実証するための試験を行ってきた。この取り組みは、2005年にわずか1社の顧客とともに開始された。最初の顧客となったバッテリメーカーEnergizerは、基本的にすべてのPCデスクトップの管理をMicrosoftに委託した。
やがて、Microsoftは同サービスで運用、運用するソフトウェアの種類を「Exchange」と「SharePoint」の2種に絞った。現在、Microsoftは同社のデータセンター内でそれらのソフトウェアを運用し、顧客から月額料金を徴収している。Microsoftは、サンフランシスコのSt. Regisホテルで開催された顧客イベントで、Microsoft Online Services(MOS)という名称で知られるこれら2製品を正式にローンチした。
Microsoftのビジネス部門プレジデントを務めるStephen Elop氏は、「われわれは皆さんのコスト削減に貢献できる」と語った。Elop氏によると、Microsoftの見積りでは、ある企業がメッセージングソフトとコラボレーションソフトの運用をMicrosoftに委託した場合、その企業は少なくとも10%のコスト削減が可能だという。
初期からの顧客の1社であるレンタルビデオ会社のBlockBusterは、Exchange Onlineをおよそ6カ月間利用してきた。BlockBusterの最高情報責任者(CIO)であるKeith Morrow氏はインタビューの中で、同社は数世代前のLotus Notesを使用していたため、Microsoftのオンラインサービスの登場は同社にとって良いタイミングだった、と語った。
Morrow氏によると、Exchangeは、Outlook Web AccessやiPhoneのサポートなど、モバイルオプションが優れていた点も魅力だったが、何らかの変化が必要だったBlockBusterにとって、社内に直接導入しなくてもExchangeに移行できる点が特に大きな魅力だったという。
衣料品小売業者のEddie BauerもNotesからMicrosoftのサービスに移行した数多くの企業の1社だ。Eddie BauerはMicrosoft Onlineをおよそ5週間利用してきた。Eddie BauerのCIOであるRich Mozack氏によると、同社はNotesを一掃したかったが、同社独自でExchangeを運用することはできなかったという。
「われわれは、ただ、先行投資を正当化できなかっただけだ」(Mozack氏)
MicrosoftのRon Markezich氏によると、初期の顧客のおよそ3分の2はNotesからExchangeへの移行組だという。しかし、Microsoftは、Lotus Notesから(Exchangeへ)乗り換えようとしている企業をターゲットにし続ける一方で、Exchangeの顧客がGoogle Appsなどの他のホステッドサービスに乗り換えてしまう脅威にさらされている。
いくつかの報道によると、Serena Softwareは先週、ExchangeからGoogleへの移行を発表したという。同社は、この変更により年間75万ドルのコスト削減になるとしている。
Elop氏は顧客イベントの中で、クラウドはたしかに素晴らしいが、顧客自身のコンピュータとインターネット上の両方でソフトウェアの運用を可能にする方が顧客にとって利便性が高い、というMicrosoftのおなじみの持論を展開した。
Elop氏によると、Microsoftは毎月、同社のデータセンターに数千台のサーバを追加しているという。当初、Microsoft Onlineで提供されるソフトウェアはExchangeとSharePointの2種類のみだが、Microsoftの最終目標は、同社のすべてのサーバソフトウェアを対象としたホステッドサービスの提供だ。
「近い将来、すべてのサーバソフトウェアがこの方法で利用可能になるだろう」(Elop氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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