Yahooは、同社の「BrowserPlus」テクノロジを改良して、これまでより高度なWebアプリケーションを実現できるようにし、同時に同社以外のウェブサイトでもBrowserPlusを利用できるようにしたことを発表した。
BrowserPlusは、Googleの「Gears」と同じく、ユーザーのウェブブラウザに組み込み、ウェブベースのアプリケーションをネイティブのデスクトッププログラムのように動作させることができるソフトウェアだ。
たとえば、主要な機能の1つに、改良されたアップロード用インターフェースがある。ほとんどのウェブサイトでは、写真や動画などのファイルをアップロードするのにファイルを1つずつ選ぶという退屈な作業が必要だが、このインターフェースを使えばそうした作業が回避できる。また、電子メール、カレンダー、インスタントメッセージなどのWebアプリケーションで、新着メッセージが届いたことやイベントが近づいたことをユーザーに知らせるデスクトップ通知機能もある。
BrowserPlusの初公開は5月だったが、新バージョンは米国時間11月7日に静かにリリースされた。新機能には、ユーザーのコンピュータにデータを保存できる機能もあり、これはGearsでも大きなセールスポイントとなっている。また、「一部のノートPCで(中略)モーションセンサーをサポートする面白い機能」もあると、YahooのBrowserPlus部門に所属するLloyd Hilaiel氏は9日付けのブログで述べている。
Yahooは、こうした機能によって、BrowserPlusの利用が増えることを期待しているようだ。「誰もが、自分のウェブサイトでBrowserPlusを使用して、改良されたブラウザアップロード機能やデスクトップ通知機能を実装できる」とHilaiel氏は述べている。BrowserPlusはこれまで、YahooのFlickrなど一部のサイトでしか動作しなかった。
同社はまた、BrowserPlusを魅力的なプラグインフレームワークとしても売り込んでいる。BrowserPlusをインストールすれば、ユーザーはブラウザを再起動しなくてもウェブサイトから新しい機能を追加できるのだ。ただし、現時点では、プラグインを提供するのはYahooだけだろう。
現在利用できるBrowserPlusプラグインには、画像編集、ドラッグアンドドロップ操作、データ保存のPstore、それにOSのテキスト音声変換エンジン用インターフェースがある。
BrowserPlusは、Gearsと同じく限られたユーザーだけが使用しているプロジェクトであるため、ウェブサイト設計者はBrowserPlusがインストールされていることを前提にはできない。だが、BrowserPlusを実行しているユーザーに対しては新しい機能を提供できる。
試してみたい場合は、こちらも今回Yahooが新しく立ち上げたBrowserPlus開発者向けサイトを見てほしい。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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