ソニーは2009年3月期第2四半期(2008年7月〜9月)の連結業績を発表した。業績内容に関しては、10月23日に開催された連結業績見通しの下方修正に関する説明会で暫定版が発表されている。
売上高は前年同期比0.5%マイナスの2兆723億円、営業利益は同90%マイナスの110億円となった。大幅な営業利益減の要因として、執行役EVP兼CFO 大根田伸行氏は「金融分野における株式相場下落の影響。また前年の営業利益には本社土地売却費が含まれていたため」とした。ただし前年同期の為替レートを適用した場合の売上高は5%増収に転じるとし、経済状況の悪化がいかにダメージを与えているかを裏付ける内容となった。
製品カテゴリー別に見ると、全地域で販売台数が増加した液晶テレビ「BRAVIA」、海外で売り上げが増加したPC「VAIO」、ラインアップの拡充によりシェア拡大に結びついたデジタル一眼レフカメラ「α」の3カテゴリーが健闘したものの、エレクトロニクス分野の売上高は前年同期比マイナス0.6%の1兆6533億円、営業利益は同40.5%マイナスの756億円となった。
為替による悪影響と、単価下落による原価率の悪化などのマイナス要因が大きく影響したほか、減益カテゴリーとしてはコンパクトデジタルカメラ、PC、デジタルビデオカメラの3ジャンルを挙げた。「コンパクトデジタルカメラは市場成長の鈍化により北米を中心に販売台数の減少、単価下落による減益に結びついた。PCは競争が激化し低価格化、ビデオカメラは市場全体が縮小し、全地域で売り上げが減少した」(業務執行役員SVP 原直史氏)と分析している。
この影響を受け、第1四半期の業績発表にて発言していた液晶テレビの黒字化に関しては「今期中の黒字化は難しいと理解している」としながらも「ただし、前年に比べると上ブレというか改善してきているように思う。2008年秋の新製品を見ていただいてもわかるように、9.9mmの超薄型液晶や4倍速駆動など、競争力のある製品が出てきた。今後は全世界展開もしていくし、為替の問題と絡めてどうやってコストを下げていくかが課題」(大根田氏)と商品力の強化を強調した。
一方、唯一売り上げ台数見通しを上方修正したゲーム分野では、売上高が前年同期比10.3%アップの2685億円となった。PLAYSTATION 3(PS3)、プレイステーション・ポータブル(PSP)の売り上げ台数が、前年同期比85%アップ(PS3)、23%アップ(PSP)と増加したことが要因だという。これを受け、PS3は通期1000万台の目標を据え置き、PSPに関しては1500万台の通期見込みを1600万台へと上方修正した。
10月23日の説明会で明らかにした、アクションプランに関しては「製造事業所の統廃合、投資計画の見直し、事業の見直しなど広い領域に渡ってレビューし、努力していく」(大根田氏)、「筋肉質な体質を作るためにどこに注力するのかという分野を明確にして、そこにリソースを割く」(原氏)と話し、具体例はまだ挙がっていないものの、大幅な見直しがされることを示唆した。
※お詫び:記事中、減益カテゴリーとしてコンパクトデジタルカメラと表記していたものの一部は、正しくはデジタルビデオカメラでした。お詫びして訂正いたします。
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