Canonicalは、Ubuntuの最新版を米国時間10月30日にリリースする予定であると、同社最高経営責任者(CEO)のMark Shuttleworth氏が27日に明らかにした。しかしながら、利益性に関しては、期待されているほど早期に上がりそうにはない。
アルファベット順に付されてきた開発コード名では「Intrepid Ibex」となる「Ubuntu 8.10」は、同社が6カ月サイクルでリリースしてきた、デスクトップPCおよびサーバ向けLinuxの最新版である。新機能として、3Gワイヤレスモデムのサポート、暗号化され、パスワードで保護されたプライベートディレクトリのセットアップ、コンピュータを一時的に使用したいユーザー向けのゲストアカウント、BBC提供のビルトインコンテンツなどが挙げられている。サーバ向けには、Ubuntu 8.10では、「Xen」仮想化へのサポート向上、Ubuntuの管理展開を進められる「Landscape」コンソール、カスタマイズされた仮想マシンを構築可能なソフトウェア、ストレージシステムのデータ保護が可能となる、ソフトウェアベースのRAIDへのサポートなどが発表されている。
Ubuntuは、主な対抗するLinuxディストリビューションとは異なり、サポートエディション、非サポートエディションを問わず、すべて無料で利用できる特徴がある。すでに近年、Red HatやNovellの「SUSE Linux」のシェアをある程度は奪ってきたものの、Canonicalの事業展開を強力に支える存在とはなってこなかった。かつて新興企業をVeriSignに売却して一財を築いたShuttleworth氏は、しかしながら、Ubuntuへの投資の成果に関して、引き続き辛抱強くありたいとの姿勢を示している。
27日の電話会議で、Shuttleworth氏は「まだ今後も3〜5年は、Ubuntuへの出資を続けることに、何ら異論はない。いかなる厳しい状況をたどろうとも、わたしは確かに耐え忍ぶつもりである。現在の困難な状況は、必ずやCanonicalにとって、大きく好転する時が来ると思う。(中略)現時点でのCanonicalのキャッシュフローは、決して良好なものではないが、われわれの提供する製品サービスは、投資家にとっても、非常に効率的な価値を持つと信じている」と述べた。
Shuttleworth氏にとって、利益性の問題は、早期に利益を生むために、事業展開速度を抑えるというよりは、むしろ、いつの日かといった漠然とした見方でなく、具体的にどの時点で、同社が重要であると考えるエリアに投資して展開を進めていくかという要素にかかるところが大きくなっている。
サーバ版に特化するなど、同社にとってのコア事業に注力しさえすれば、「もし必要とあらば、おそらくは2年で黒字転換も可能である」と、Shuttleworth氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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