Googleは、オープンソースのプロジェクト「Gears」プロジェクトをアップデートし、ウェブサイトがGears対応ウェブブラウザ内で位置情報サービスを利用可能にした。
携帯電話のアンテナ塔から発信される信号などを利用するこの「Gears Geolocation API」は当初、携帯電話ユーザーがGPS技術がなくても自分の大まかな位置を把握できるようにするために開発された。今回のアップデートで、Wi-Fiネットワークの信号を使った位置確認に対応し、ノートPCユーザーも、多くの主要都市内で、およそ200mの範囲内で自分の位置を把握可能になった。
これにより、ユーザーの現在地を表示することにより何らかのメリットがあるウェブサイト(大半はマッピング関係のサイト)は、無線ネットワーク信号が利用可能である限り、さらなるパーソナライズが可能になる。Googleは、Gearsを使ってウェブアプリケーションを発展させようとしているが、まだGearsをインストールしているユーザーはごく一部である。
また、プログラマーは、サービスを提供するAPIがどれかを把握する必要はない。GoogleモバイルチームのプロダクトマネージャーであるCharles Wiles氏は米国時間10月21日、Google Code Blogへの投稿で、「開発者にとっては、Geolocation APIはデスクトップ用ブラウザでもモバイル用ブラウザでも同じなので、両方のプラットフォームに全く同じコードを使用することも可能だ」と述べている。
Gearsは、「Firefox」「Internet Explorer(IE)」「Google Chrome」「Safari」の機能を強化するための機能拡張だ。しかし、ブラウザに地理情報を組み込む手段はほかにもある。
Mozillaは2週間前、「Geode」と呼ばれるFirefox用プラグインをリリースした。同プラグインは、Skyhook Wirelessが提供するWi-Fi技術を使ってユーザーの現在地を特定する。Geodeは、Firefox 3.1にも組み込まれており、いずれはGPSやおそらくGearsなど、ほかの手段を使って位置情報を把握することも可能になるだろう。
ウェブサイトと位置情報を共有するとなると、当然、プライバシーに対する懸念が生じるが、MozillaのFirefox用拡張機能と同様に、それらのサイトは明示的な情報を取得しなければならない。
「Gearsは、ウェブサイトが最初にユーザーの位置情報にアクセスしようとする時に必ずユーザーに通知するので、ユーザー自身がそれを許可するか拒絶するかを選択できる」(Wiles氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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