経済危機時代の技術起業家たち--変えるのは製品ではなく戦略 - (page 2)

　「企業のためのFriendfeed」が信条のSocialcastの最高経営責任者（CEO）であるTimothy Young氏は、現在の情勢によって計画を後退させることはないと述べている。「私たちは資本支出、事業運営費を注視しているが、新興企業はそこまで切羽詰ってはいない」同氏の会社は、複数年契約を締結している企業顧客を抱えており、事実、開発面では、顧客のインプットにより、「予定よりもずっと速く進んでいる」という。ちなみに、Socialcastは設立3年目の企業で、カンファレンスに参加した多くの企業ほど未成熟ではない。

　Chi.mpの最高戦略責任者（CSO）であるTony Haile氏は、同氏の会社のベンチャー投資は増えていないが、「まだ資金はある。楽観的な感覚とチャンスは今でもある」と感じると述べている。同氏の会社は景気によって計画を変更してはいないという。

　BillShrinkのPeter Pham氏は、安全のため、運転資金を金融市場から財務省証券に切り替えた。しかし、同氏は「給料が抑えられる」と予想し、新興経済もまもなく逼迫すると考えている。同氏の運用戦略は、「きっちりと、無駄なく」だ。今後競争は弱まるが、同氏は今でも、今日の企業運営は、「『ほかよりも長く続く』ことに重点が置かれ」、生き残り競争のように扱われていると考えている。

　Three Ringsのゲーム開発者であるDaniel James氏は、同氏の会社は根本的には変わっていないが、3回目となる資金調達での投資者との会話はこれまでと違うものになると思うと述べている。「ユーザー獲得のグラフのポイントではなく、売上グラフのポイントについて聞かれることになるだろう。（そのことを考慮して、）私たちはBラウンドをできるだけ長く続けようとしている」

　Three Ringsは2001年創業だが、当時も新興企業の資金調達は危機的な状況だった。James氏は、「当時は事業を始める好機だった。つまらない問題もなく事業に集中できた」と述べている。同氏は現在の状況もほぼ同じだと感じている。