Copyright Royalty Board(CRB)は、Appleの「iTunes Store」やRealNetworksの「Rhapsody」など、デジタルダウンロードサービスが音楽出版社に支払うロイヤリティを決定した。Appleが警戒していたようなロイヤリティの引き上げはなかった。
3人の審査官で構成され、法定著作権ライセンス料を決定するCRBは、Digital Media Association(DiMA)、全米音楽出版社協会(National Music Publishers Association:NMPA)、Apple、およびその他の音楽ダウンロード販売業者に電子メールを送り、1曲あたりのロイヤリティを9.1セントとする決定を伝えた。このロイヤリティはCDにも適用される。CRBがデジタルダウンロードサービスに自動的に適用されるロイヤリティを設定したのはこれが初めてだ。
警報ベルが鳴り始めたのは9月30日のことだった。AppleがCRBに対して、高すぎるロイヤリティの支払いが強制されれば、「おそらくは」iTunes Storeを閉鎖することになると伝えていたと、Fortune誌が報じたのだ。AppleのiTunes Store担当バイスプレジデントEddy Cue氏は、2007年の4月の段階でCRBに、同社は「利益を出せなくなるのであれば、(iTunes Storeの)運営を継続しないかもしれない」と告げていた。
音楽出版社の団体であるNMPAは、1曲あたりのロイヤリティを9.1セントから15セントへ、66%引き上げることを求めていた。もちろんAppleがどうするのかは誰にも予測できないが、現時点では、同社は求めていた結果を得られたようだ。
音楽出版社側は着信音のロイヤリティを24セントに上げたことでCRBを称賛した。これらの交渉に詳しい音楽業界のある情報筋によると、音楽出版社としてはもっと高いロイヤリティがよかったかもしれないが、CRBがロイヤリティを売り上げの何%という方式にせず、定額にしたことを喜んでいるはずだという。
この人物によると、CRBはロイヤリティを音楽ストアがダウンロード販売で得た売り上げと関連づけるように規定することもできたが、そうなれば会計上の非常に面倒な問題が発生したはずだという。またこの決定は、DiMAが連邦議会に働きかけ、9月30日にネットラジオサービスが得たような成果を獲得することの妨げとなるという。
ネットラジオサービスのPandoraは、音楽の(ダウンロードではない)ストリーミング配信の新しいロイヤリティについて音楽業界と交渉する運動に参加していた。このグループはワシントンで激しいロビー活動を行い、義務的なライセンスについて音楽業界との間で意見をまとめるための、議会の承認を勝ち取った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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