ここまでは、各ASPの獲得モデルの差別化を話してきたが、その他の差別化についても話そう。
トラフィックが高く個人ブロガー(インフルエンサー)によるレビュー施策(記事の投稿)などを行っているASPがある。ブロガーが書いた記事はユーザーにとって信用度が高く、アクティブ(広告の目的を果たしてくれるユーザーの獲得)に繋がりやすいと言われている。
これ以外にも、不正を防御するシステムに強いASPや個人ブログを活かしたバズ広告、さらにはウェブを通り越してリアルでのアフィリエイト(店舗などを利用したアフィリエイト広告)を行っているASPも存在している。
現在、ASP独自のサービスは多数存在している。業種や案件ごとに戦略的に使い分けることで、より最適なアフィリエイトを展開するべきだろう。
最後に、モバイルアフィリエイトに注目をしてみる。モバイル専業のASPとPCアフィリエイトを共に扱うASPの存在により、モバイルはPC以上に競争が激化している。モバイルアフィリエイトの伸張は著しいと感じている企業が多いのだろう。
「モバゲータウン」を展開しているディー・エヌ・エーと、「Smart-C」を展開しているアドウェイズなどがモバイルASPのシェアを握る代表例として挙げられる。しかし、モバイルの市場はまだ未成熟で、差別化という差別化が特にないような気もする。
唯一の特徴として挙げられるのが、ASPの自社媒体や不正アクセスをカットするシステムなどだが、PCほど各社ごとに差別化仕切れていないのだろう。今後、市場のシェア争いは激化されモバイルASPサービスの強化と差別化が期待できそうだ。
現在、ASP1社では限られたネットワークしか利用が出来ないため、複数のASPを利用しているマーチャントは少なくない。しかし、単にASP(ネットワーク)を拡げるだけでは、不正が増えたり管理コストの増加により、費用対効果が見合わなくなってしまう。
さらに、ASPが差別化(業種ごとに得意分野がある)を図っているこの時代に、ただ掲載するだけではなかなか広告及び販促の効果が出しにくい。まずは自社サービスが、どのASPに親和性が高いのかを把握することが大切になるだろう。
広告掲載を予定する商材に親和性の高いASPを選定するのが1つのポイントだが、それでは親和性の高いASPの選定の判断基準はどこにあるのだろうか?
ASPの提携メディアや獲得実績、提携メディアのユーザーの属性、得意分野など様々な視点で見ていかなければならない。マーチャントの目的に応じて利用するASPは変わってくる。
例えば、数を意識した獲得だとすると、ロングテール重視モデルになるのだが、それだけだとマーチャントの真の目的には到達できない。
理由は、アフィリエイトパートナー自身による報酬目的での申込が多く発生するため、獲得後のアクティブなユーザーに繋がり難いということだ。
そこで、ロングテール重視モデルのASPとヘッド重視モデルのASPを共存させることによりユーザーの質を保ち、かつ件数の獲得も実現させることが可能である。そこには、マーチャントの商材に強いメディアを抱えているASPを選定しなければならない。
最後に、今回ご紹介した獲得モデルのロングテール重視モデル、ヘッド重視モデル、キャラクター重視モデルは、1社全体の提携メディアを見た中での特徴となる。
つまり、ロングテール重視モデルだからといって法人メディアに提携していないとは限らないし、ヘッド重視モデルだからといって個人サイトと提携をしていないとも限らない。
ここが、マーチャント提携するに当たり、判断基準の難しいところだと思う。利用しているASPが、どこの層をリーチしていてどのようなメディアを抱えているのか。さらには、ターゲット層に向けた新たなリーチ方法(ASPの新サービス)により今後のアフィリエイトでの成功の道が別れる。
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