ソニーCEO:「われわれはイノベーション力を取り戻した」 - (page 2)

文:Vivian Yeo(ZDNet Asia) 翻訳校正:編集部2008年09月11日 15時53分

「先行きの見えない」時代におけるイノベーション

 Stringer氏によると、現代におけるエレクトロニクス技術のイノベーションは実際のところ、「既存技術の延長線上にある」という。

 Stringer氏は、すべての新製品が、すでに存在している製品の延長線上にあると述べている。同氏によると、世界はもはや、「テレビを発明した」や「携帯電話を発明した」などというような時代にないのだという。そして同氏は、「既存の製品をより大きく、より良く、より薄く、より長く、より短くすることで、顧客にとってより便利なものにすることになるのだ」と述べている。

 Stringer氏によると、経済的なプレッシャーと、より厳しい競争に直面することで、企業はどういったものをイノベーションの対象とし、どういった製品を発売するのかということについて「よりグローバルなかたちで世界と結びつくこと」が求められるようになるのだという。

 また同氏は、リスクは比較評価したうえで選択する必要があり、「意思決定が必要となる。iPhoneのようなものを製造するのか、あるいはVAIOを製造するのかについて、テクノロジや、顧客から見た使い勝手、顧客が負担することになるコストのバランスをとる必要がある。こういったものはすべて、一般大衆に向けてどんなものを発売すべきかという分析の材料となるのだ」と述べている。

 Stringer氏によると、有機ELテクノロジはそういった例の1つであるという。同氏は「有機ELは、先進的過ぎるとか、コストがかかり過ぎるとか、ユーザーにとって使いづらいといった理由で何度かその開発が中止された」と述べている。

 「われわれは有機ELについて決断を下した。これは非常に素晴らしいテクノロジであるため、製品化することにし、当初は損失が発生しても最終的にはその画質の素晴らしさによって問題が解決され、、市場に大きく受け入れられるようになるだろうと考えたのだ」(Stringer氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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