素晴らしい楽曲を繰り返し聴いていても、3曲目が退屈な曲だとせっかくの心地良さが失われてしまう、という感覚は誰もが知っている。
しかし、Appleの「Genius」があれば、リスナーはその心地良さを持続できるという。
Appleは米国時間9月9日、Geniusと呼ばれる自動プレイリスト作成機能を備えた改良版iTunesを発表した。Geniusは、iTunesユーザーが音楽を聴く時の習慣や傾向など、さまざまなデータを基に顧客が好みそうな楽曲を推測してくれ、「iPhone」「iPod touch」と新型「iPod nano」で利用可能だ。
人々が好みの楽曲を発見しやすくするための機能の提供は、デジタル音楽業界にとって最大の課題の1つだ。AppleのGeniusはデジタル音楽業界にとって追い風となる、と語るのは、調査会社ForresterのJames McQuivey氏だ。
McQuivey氏は、「Geniusが宣伝通りに機能するなら、Geniusはまさに待望の機能であり、市場を支配する可能性もある」とし、さらに次のように続けた。「Geniusがあれば、iTunesは他者にはできないことが可能だ。つまり、顧客の購入履歴からだけでなく、顧客が実際にどの曲を聴いているかというデータに基づいて楽曲を推奨できる」
Appleによると、Geniusは6500万人以上のiTunesユーザーからデータを収集し、ナレッジと推薦機能を拡大していくという。
しかし、Geniusの最も優れている点は、この機能によりユーザーがApple製のデバイスをこれまで以上に楽しめるようになるという点だ。
筆者は近頃、自分がiPhone 3Gにロードした楽曲に飽きてきたと感じていた。iPhone自体は好きだが、そこに入っている楽曲に新鮮味がなくなると、iPhoneの魅力もやや低下する。
筆者のiPhoneは今や音楽プレーヤーと化している。通話やネットサーフィンやメールチェックよりも、音楽プレーヤーとして使う方がはるかに多い。だからといって、自分のiPhoneの価値を引き出すために、常に新しい音楽を購入したり、好みの音楽を見付けるために徹底的に検索することに興奮は覚えない。恐らくAppleは、私がすでに所有している楽曲からさらなる楽しみをひねり出せるようにしてくれることだろう。
McQuivey氏は、GeniusはAppleにビジネスチャンスをもたらすが、同時にユーザーにもメリットがあると見ている。
McQuivey氏は、「Geniusの唯一の欠点は、顧客に購入してもらいたい楽曲を顧客の曲目リストに忍び込ませる手段がない点だ」とした上で、「仮にそれが可能になれば、Appleは非常に優れた音楽推薦マシンを手にすることになる」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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