デジタル時代におけるコンテンツの在り方などについて議論する民間協議会「デジタル・コンテンツ利用促進協議会」(仮称)がこのほど発足し、9月9日、都内で設立総会を開催した。発起人代表を務める東京大学名誉教授で弁護士の中山信弘氏は「縮小するパイの分配をめぐる議論ではなく、パイを大きくするためにどうするべきかについて広範な議論がなされる起爆剤となることを期待する」とし、出席者へ協力を呼び掛けた。
総会では、発起人として名を連ねた角川グループホールディングス代表取締役会長の角川歴彦氏、参議院議員の世耕弘成氏、スクウェア・エニックス代表取締役の和田洋一氏がそれぞれ副代表となることが認められたほか、西村あさひ法律事務所パートナーの岩倉正和氏が事務局長となることが決定した。
また、協議会顧問として小坂憲次氏、松田岩夫氏、甘利明氏ら自民党国会議員が出席。「総裁選に注目が集まる中、こうした問題についても継続して検討し、法案提出への下準備を進めていきたい」(小坂氏)と政府の立場から支援を約束した。
一方、自民党、公明党の連立政権の存続が危ぶまれる中、「次の政府」とも目される民主党からも近藤洋介衆議院議員が出席。「(総選挙の結果が)どうなるかわからないが、党派を超えて進めていくべきテーマと認識している」とし、政権交代が実現した場合も継続して取り組んでいくべきとの認識を示した。
角川氏、岩倉氏、甘利前経済産業大臣などが名を連ねたことから、3月に発表して話題を呼んだ「ネット法」との関係性が指摘される同協議会。実際、岩倉事務局長は記者の取材に対し「それ(ネット法)も選択肢のひとつ。いずれにしても、法案提出に向けて議論を進めていくための協議会」と関係性を否定しなかった。
こうした協議会の姿勢を権利者側はどう見ているのか。個人会員として出席したという某権利者団体幹部は「あくまで方向性を平場で議論するための協議会、と聞いている。仮にネット法をそのまま成立させようというための設立であれば、会員として反論を述べていくことになる」と警戒感を示しつつ、議論の場が提供されたこと自体を評価した。
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