「『完ぺきな』プロセスが存在するとは思わない。もちろん、遠ざかる人はいるだろうが、プロセスが改善される可能性があることは間違いない」(Torvalds氏)
同氏は、Linuxカーネルの開発は、人々が暖炉を囲んで「Kumbaya」を歌うような「暖かくて心地よい」環境ではなく、「自分の意見をしっかり持っている人々」がいる環境だと警告した。
「カーネルはかなり厳しい技術的な問題であり、ミスは冷やかな目で見られることになる。OSのカーネルには、もっと多くのセキュリティ、安定性の要件が存在し、より高い基準が求められる場合もある。このことは、修正プログラムに対する反応にも当てはまる」(Torvalds氏)
それにもかかわらず、Torvalds氏は、Linuxにおける修正プログラムの開発プロセスは、正式な国際基準プロセスに記載されているような定量化できる一連の作業よりも、人との交流の面の方が大きいと述べた。
数千人の開発者がLinuxカーネルのプログラミングに携わっているが、Torvalds氏は、開発プロセスは依然として効率的だと主張した。「Linuxが非常に優れている点の1つは、規模の拡大に対応できる優れた保守担当者のネットワークを構築し、大勢が緊密に連携しなくても、一握りの人たちのグループで対処できるようにしたことだと思う」
Open Source Consortiumの代表を務めるMark Taylor氏は、8月15日、ZDNet.co.ukに対し、一般的に、エンタープライズクラスのオープンソースプロジェクトは適切に拡大できるように設計されていると述べた。
「プロセス全体が拡張性に優れている。通常、(オープンソースプロジェクトの)中核にいるのはプロのソフトウェアエンジニアだ。彼らは、ソフトウェアプロジェクトを運営する方法を知っている」(Taylor氏)
Torvalds氏とTaylor氏のコメントは、開発者がプロセスで挫折感を抱くことがないよう、Linux Foundationが作成したLinuxカーネルの開発ガイドの公開を受けたものだ。ガイドは8月13日に公開された。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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