Dellによる「cloud computing」の商標申請について、当初認める方向にあった米国特許商標局は米国時間8月7日、一転、却下に向けて動き出し、7月8日にDellに送付した商標を認める旨の予備的通知を取り消した。
Dellの広報担当Jeff Blackburn氏は、最終的に商標が認められる可能性については予断を許さないとし、「当社は裁決を待つだけだ」と述べた。
特許商標局は申請の詳細についてコメントすることを避けたが、商標政策と手続きを管理しているCynthia Lynch氏は、この通知は申請が却下される見込みであることを示し、「問題とされた点を説明し申請者に対応する機会を与える」可能性もあると述べた。
同氏は手続きに要する時間は通常数週間だとし、またいわゆる商標の許可通知が取り消されるのは「聞いたことがないわけではないが、明らかに異例だ」と言う。
Dellによる「cloud computing」商標化の動きは、一方で、クラウドコンピューティングに関わる人々の反感を呼んでいる。
その1人、Software as a Service(SaaS)で利用側と提供側に統一された認証インフラストラクチャを提供している企業TriCipherのマーケティング担当バイスプレジデントであるJon Brody氏は、Dellの商標申請には「驚き失望した」と述べている。「自社製品に名前を付ける必要があるのは当然だが、残念ながら用語の使い方は製品ごとに異なる。クラウドコンピューティングのような広い意味を持つ用語はキャンバスのようなものであるべきだ」
Blackburn氏の説明によると、Dellが商標を申請したのは2007年3月23日、Cloud Computing Solutionsを発表した直後だった。現在、このソリューションには商標のマークが付けられている。「“cloud computing”は当社の商品と密接に関わるため、この用語の乱用を防ぐために申請した。当社がソリューションを発表した当時、この用語は普及していなかった。当社は自社の知的財産を保護するが、自社以外の知的財産も尊重し、侵害するつもりはない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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