Intelとの提携が、すべてに同社製品を採用することを意味するわけではないという判断を、Appleは下したのかもしれない。
6〜8週間以内に登場するとみられている新型「MacBook」において、AppleはIntel以外の会社のチップセットを採用するかもしれず、それはAppleが社内開発したチップセットである可能性もあるとAppleInsiderが報じている。Appleはノートパソコンを作る他メーカーと同じく、2006年以降のMacBookの製品ラインでIntelのモバイル向けチップセット「Centrino」を採用してきたが、AppleInsiderが伝えるところによると、同社は今回、「Montevina」(開発コード名)の世代をパスすることになりそうだという。
Intelはモバイルプロセッサ分野ではすばらしい仕事で再出発を果たした。それは2004年の最初の「Pentium M」の設計にまでさかのぼることができ、現行の「Core 2 Duo」にまで続いている。しかし、これらのプロセッサを、メモリやハードディスクなどの残りのシステムとつなぐ統合グラフィックスチップセットでは、同社の仕事はすばらしいというにはほど遠い。
ノートパソコンは大半が、ディスクリートのグラフィックスチップではなく統合グラフィックスチップセットを採用して消費電力を切詰めているが、Intelのチップセットはグラフィックスの性能が満足できるものとはとうてい言えない。Microsoftは「Windows Vista」にあわせて登場したIntelのチップセットの性能を決して喜ばなかった。Intelは、Microsoftの期待に応える別のチップセットを提供するという課題をまだクリアしていない。
Appleが新しいシステムで採用するのが同社内で設計されたチップセットだとすれば、Appleでは歴史は繰り返すということになる。同社はかつて、IBMの「PowerPC」にあわせた内部ハードウェアの大半を設計していた。Appleは最近、P.A. Semiのチップ設計者を多数獲得したが、これらの人材は「iPhone」と「iPod Touch」の将来のチップに取り組むとSteve Jobs氏は話していた。
AppleInsiderは、Appleが新しいチップセットに関して、Advanced Micro Devices(AMD)、あるいは台湾のVia Technologiesと契約したかもしれないと考察しているが、新しいシステムに実際になにが使われるのかについてなんら詳細は示していない。NVIDIAは2008年夏に、モバイルチップセットのグラフィックス性能に大きな問題を抱えていることから、AppleがIntel以外のサプライヤーを探している場合も、NVIDIAはおそらく勝ち目がない。
MacBookをめぐる未確認のニュースとしてはほかに、新システムは9月に登場しガラス製のタッチパッドを搭載するとComputerworldが報じているが、これは少し奇妙な感じがする。ガラスだとタッチパッド志向のマルチタッチの利点がいろいろとあるのかもしれないが、保証の点で悪夢になるのではと私には思われる。
新型MacBookは「MacBook Air」からデザインのヒントを得ており、「MacBook Pro」とMacBook Airにみられるアルミニウムの筐体になると予想されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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