普段はAppleに好意的なWall Street Journal(WSJ)のWalt Mossberg氏が、同社の新サービス「MobileMe」の利用を勧めることはできないと述べている。しかし、それは同サービスがあたかも特に大きなトラブルもなくローンチを遂げたかのようだ。
All Things Digitalに掲載されているMossberg氏のレビューでは、MobileMeのサービス障害には触れず、「MobileMeはすばらしい構想だが、現時点ではこれを実現するにはあまりにも多くの問題を抱えている」という見解を示している。サービス障害により、元「.Mac」ユーザーが電子メールにアクセスできない状態に陥り、不満の声が上がっている。
MobileMeは、電子メールサービスのほか、インターネットにつながっているコンピュータからアドレス帳やスケジュール帳、お気に入りにアクセスできるよう設計されている。Mossberg氏が指摘する問題の1つは、iPhoneでこうしたアプリケーションに変更を加えた場合には瞬時に同期するが、同氏がテストで使用したDellのPCやMacの場合では15分の時間差があったという点だ。Appleはこの問題を認めており、修正に取り組んでいると述べる。
だが、Mossberg氏にとって最大の問題は、MobileMeは反応が遅く、バグが多いという点にありそうだ。ウェブページのロードは非常に遅く、Microsoftの「Outlook」との同期には問題があり、スケジュール帳の予定の変更を反映するにはマニュアルでのリフレッシュが必要となる。
MobileMeの電子メール問題はまだ解決されていないようだ。Appleは、MobileMeユーザーの1%がこの影響を受けていると述べている。この電子メール問題は緊急だが、Mossberg氏の体験を読むと、クラウドコンピューティングサービスを提供しようというAppleの取り組みには少し無理があるのではないかと思えてくる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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