ゲーム市場の台風の目と期待されるカプコン

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 全般軟調相場が続いている東京株式市場の中で、ここにきて逆行高の兆しをみせているのがゲームソフト大手のカプコンだ。7月30日に発表予定の2009年3月期の第1四半期(2008年4〜6月)決算も好結果が予想されている。今後の業績推移と株価動向を探った。

 世界的に広がるインフレ懸念、金融機関の信用不安など景気全般に減速への警戒感が高まる中にあっても、高い成長が期待されているのがゲーム業界だ。サブプライム(信用度の低い顧客向け)ローン問題で個人消費に陰りがではじめている米国にあっても、このゲーム関連の売上に限っては、家庭用ゲーム機器、同ソフトともに前年同期で30%程度の高い成長が続いているという。

 こうした中で、米国で毎年開催されるゲーム関連の見本市E3(Electronic Entertainment Expo)が7月15〜17日、ロサンゼルスで開催された。これを目前に控えた7月14日(米国時間)にカプコンは、シリーズですでに出荷総数3450万本(2008年5月31日現在)の大ヒットゲームの最新作「バイオハザード5」(PS3、Xbox360)を、2009年3月12日(日本国内)に発売すると発表した。北米・欧州では同13日となり、世界でほぼ同時期に発売される。このソフトは、今年度末のゲーム市場の台風の目となりそうだ。

 この新作ソフトに関してこれまでに判明している情報は、ゲームの舞台がバイオテロの脅威にさらされているアフリカであることや、主人公がクリス・レッドフィールドであること、そしてクリスの相棒だと思われる女性キャラクターの存在のみ。同社では「“光と闇のコントラスト”に焦点を当てた、新たな“恐怖”を表現している」としている。ただ、ゲームシステムなどは、明らかにされていない。

 カプコンは、国内のゲーム市場が成熟化しているのに加え、主要対象とする携帯電話やインターネットユーザー層での異業種との顧客獲得競争が進むなかで、今後も成長を確保するためには、積極的な海外展開が不可欠としている。これを実現するために、海外ユーザーの嗜好に適合したソフトの投入や、販売体制の拡充など、海外市場の拡充に努力すると同時に、顧客満足度の向上を図ることにより「メイド イン カプコン」をアピールするとともに、カプコンブランドの浸透を図るとしている。

 同社は、2009年3月期の連結業績について、売上高953億円(前期比14.7%増)、営業利益146億円(同11.3%増)、経常利益148億円(同20.6%増)、純利益86億円(同10.1%増)としているが、業績上方修正の可能性が高まっている。7月30日発表予定の第1四半期の決算は、9月中間期の業績予想と比較して高い進ちょく率となった模様だ。

 同社の株価は、5月22日に年初来高値の3640円をつけて以降、全般相場の軟調もあって下落トレンドとなり7月10日には2775円まで売り込まれた。しかし、これを起点に反発に転じ逆行高を演じており、先週末の7月18日には一時、3150円の高値まで買い進まれている。中期的には3500円台回復も期待できそうだ。

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