アルファシステムズが反騰の兆し--NGNやスーパー3G関連で好業績期待

 情報システム開発大手で、携帯電話基地局向けのシステムで強みを持つアルファシステムズの業績が順調な推移をみせている。しかし、株価は依然として安値圏でのボックス相場を強いられている。今後は業績の好調さが次第に評価されて株価が反転上昇のトレンドを鮮明にしてくる期待が持てそうだ。

 同社が5月9日に発表した2009年3月期の単独業績見通しは、売上高270億円(前期比6.9%増)、営業利益36億5000万円(同10.4%)、経常利益37億5000万円(同7.8%増)、純利益21億8000万円(同1.0%増)と2桁の営業増益が見込まれている。

 今期(2009年3月期)の事業部門別の売上高予想は次の通りとなっている。ノードシステムでは、NGN(次世代ネットワーク)関連のシステム開発の受注は堅調な推移が予想されるものの、開発の中心がネットワーク基盤からサービスプラットホームへ移行していることから、売上高は63億円(前期比1.1%増)と微増収を予想している。

 モバイルネットワークシステムでは、次世代モバイル網関連のシステム開発の受注に期待しているものの、開発計画の不透明さも考慮して売上高を66億円(同1.5%増)としている。ネットワークマネジメントシステムでは、NGN関連のシステム開発の受注開発の拡大を予測し売上高を87億円(同8.7%増)と予想。オープンシステムでは、企業情報システムおよびビジネスアプリケーション開発で新規顧客にも積極的に受注拡大を図り、売上高は38億円(同27.7%)と大幅な増加を見込んでいる。

 また、その他部門としては、システム開発要員派遣および製品販売並びにSI案件などの受注増を図り、売上高は16億円(同4.4%増)としている。

 今期は、前期までの業績拡大をけん引してきたNGN関連の基地局向けなどのシステム開発を行うノードシステムがやや減速するものの、NGN関連の交換機や通信回線などを管理するネットワークシステム・マネジメントシステムや、一般企業向けシステム開発であるオープンシステムの増収により、内部統制関連の費用増などを吸収することになる。

 会社側の業績予想は、3月の前期末段階で受注が見込める案件を中心に計画されているが、今後、NGN関連の需要が想定に比べて加速することも十分期待できるのに加え、2010年にサービスを開始する予定の携帯電話の高速データ通信サービスであるスーパー3G関連のシステム開発などの案件が先行して浮上してくると、期中に業績が上方修正される可能性が濃厚となりそうだ。

 なお、前期2008年3月期の決算は、売上高252億円(前々期比6.5%増)、営業利益33億500万円(同11.1%増)、経常利益34億7900万円(同12.2%増)、純利益21億5800万円(同18.4%増)と2桁増益を達成した。

 好調な前期決算と今期の業績見通しを発表したものの、同社の株価は、3000円台から下落トレンドを辿り、6月9日には2440円安値まで下落した。その後反転上昇の兆しをみせ始めてはいるものの、先週末6月20日の終値は2600円と下値模索から脱しきれていない。しかし、連結PERは14.7倍と割高感はない。順調な業績推移を考えると現在の株価水準は割安と言わざるを得ない。中期的には株価3000円を目指した修復相場が期待できそうだ。

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