WindowsはデスクトップPCでは一般的で、ラック型のサーバでも広く採用されているが、世界最大級のスーパーコンピュータでは最近までほとんど搭載されていなかった。
しかし、Microsoftはスパコン市場においても、数年前から本腰を入れた取り組みを開始し、クラスタコンピュータ専用の別バージョンのWindowsも開発してきた。
取り組みの最初の大きな成果は、スーパーコンピュータの最新トップ500ランキングで証明された。23位にランクされたNational Center for Supercomputing Applicationsのシステムなど、ランキング入りしたシステムのうち5台はWindowsクラスタだった。
もちろん、残りの495台のシステムはWindowsを搭載していないということになる。
だが、以前はIBMでLinuxクラスタの設営を担当し、現在はWindows Serverのマーケティングを統括するBill Hilf氏は、これは大きな前進だと評価している。Hilf氏によれば、Microsoftがハイエンド版Windowsの次世代バージョンを発表すれば、トップ500ランキングでもっと上位にランクインできるという。「Windows HPC Server 2008」と呼ばれる次世代バージョンは、現在、機能を完備したリリース候補版が公開されており、2008年秋には最終版がリリースされる予定だ。
Hilf氏によれば、次世代バージョンは1000台以上の独立したサーバを搭載したクラスタに適合したWindowsになるという。「これまで、こうしたクラスタのほとんどには対応できていなかった」と同氏は語る。
しかし、トップ500ランキングの結果もよいが、おそらくもっと重要なことは、HPC Server 2008によって、政府機関や大学の研究所だけでなく、一般の企業においてもクラスタコンピュータの利用の可能性が開けてくる点だとHilf氏は指摘する。こうした企業での応用例としては、詐欺行為の検知にスパコンの強力な計算能力を利用する、といったものが考えられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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