Intelは、急成長を続けるクリーン技術市場で大きな一歩を踏み出した。同社は米国時間6月16日、太陽電池製造を手掛けるスピンオフ企業SpectraWattの設立を発表した。
Intelの投資部門であるIntel Capitalを筆頭に、複数の企業が総額5000万ドルをSpectraWattに出資する。Intel Capital以外の出資企業としては、Goldman Sachsの子会社Cogentrix Energy、PCG Clean Energy、Technology Fund、ドイツのソーラー企業Solonなどが挙げられる。
SpectraWattは、2008年半ばからオレゴン州で工場建設に着手し、2009年半ばまでに太陽電池パネルメーカー向けにシリコンで作った電池の出荷を開始する予定。Intel New Business Initiativesグループの元ゼネラルマネジャーAndrew Wilson氏が、SpectraWattの最高経営責任者(CEO)に就任する。
Wilson氏はインタビューの中で、同社が依然として知的財産権の保護手段を模索している最中であることを理由に、技術に関する具体的な情報は明らかにしなかった。
Wilson氏によると、SpectraWattは、1ワット当たりのコスト削減および太陽電池効率(ソーラーパネルがいかに効率良く太陽光を電気に変換するか)の向上に注力するという。
「現在のソーラー業界は、1970年代末のマイクロプロセッサ業界に似ている。まだ解明、改善すべき点が山ほどある」(Wilson氏)
SpectraWattのオレゴンにおける最初の工場は、60メガワット規模の太陽電池の生産だ。同社は、およそ2カ月以内に生産を開始する。Wilson氏によると、同社はすでに顧客やポリシリコンの供給源を確保しているという。現在、ポリシリコンは世界的に供給不足の状態だ。
Intel Capital社長でIntelのエグゼクティブバイスプレジデントも務めるArvind Sodhani氏によると、Intelはクリーン技術分野の別のビジネスチャンスに注目しているという。「今回の(SpectraWattへの)投資は、Intel Capitalにとって、成長を遂げているクリーン技術市場への重要な投資だ。われわれは、SpectraWattと連携しながら、同社の事業拡大をサポートできることを楽しみにしている」(Sodhani氏)
Intelは太陽光に加え、エネルギー効率の高いプロセッサやデータセンター用機器にも投資している。一方、Intel Capitalは、スマートグリッド企業のGrid Netに投資した。Grid Netは、WiMax無線ネットワークを利用して電力会社、顧客間の通信の仲介をしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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