アイ・ティ・アール(ITR)は6月10日、国内のアイデンティティ管理および内部統制市場の市場規模と動向をまとめた「ITR Market View:アイデンティティ管理/内部統制市場2008」を発表した。アイデンティティ管理とは、社内にある複数のシステムやアプリケーションについてユーザーの属性とアクセス権限を管理するもの。
ITRによると、アイデンティティ管理市場の2007年度の国内出荷金額は88億円で前年比28.1%増と急速に拡大している。これは、内部統制やコンプライアンス対応強化のため、アクセス管理環境を見直して専用ツールを導入する企業が増えていることが大きな要因となっている。
ITRではアイデンティティ管理製品がユーザーの利便性の向上やIT管理コストの削減、セキュリティポリシーの順守といったメリットをもたらすとして、2008年度はさらに高い伸びを示すと予想している。
2007年度のベンダーシェアでは、大手金融機関を中心とした大規模ウェブシステムでのシングルサインオン用途で多くの導入実績をもつ日本ヒューレット・パッカードが首位となった。2位は、買収などにより急速に製品ラインアップを強化した日本CA。この2社にサン・マイクロシステムズ、日本IBMが僅差で続いている。
レポートではこのほか、内部統制文書化市場、内部統制管理市場、アイデンティティ管理市場を対象に、市場規模実績(2006〜2007年度)および予測(2008〜2012年度)、ベンダー別、OS別、業種別、機能別のマーケットシェア(2006〜2008年度)、該当ソフトウェアベンダー31社のプロフィールなどをまとめている。
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