Yahooは米国時間6月4日、Yahooサイト内の機能をよりオープンにする構想の第2弾として、「Yahoo Address Book」のAPIを外部に公開した。
買収の圧力に苦しみながらも、いまだにウェブ活動の主要拠点の座を維持しているYahooは、今回の取り組みによって、他のウェブサービスとの結びつきを一段と強めることになるだろう。たとえば、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を立ち上げたプログラマーは、このインターフェースを使えば、Yahooにアドレス情報を登録している人たちにSNSへの招待状を送ることができる。
「われわれのアドレスブックは、以前から、アクセスできるようにしてほしいという開発者からの要望が非常に高かったものの1つだ」と、Yahoo Developer Networkの責任者、Chris Yeh氏は言う。その理由は、Yahooのユーザーが長年にわたって蓄積してきた多くのアドレス情報がここに保管されているからだ。
Yeh氏によれば、Yahooのユーザーが登録しているアドレスブックの数は5億を超えており、毎月1億5千万以上のユニークユーザーがこのサービスを利用しているという。「膨大な数のアドレスブックが日々更新されている。これは、ウェブ上にある最大規模の連絡先情報源の1つなのだ」とYeh氏は語った。
Yahoo Address BookのAPIの公開は、Yahooの最高技術責任者(CTO)であるAri Balogh氏が4月24日に発表した「Yahoo Open Strategy」(YOS)の実施において、現時点で2つ目となる主要な取り組みといえる。1つ目は、5月15日に提供開始した「SearchMonkey」プロジェクトで、こちらはYahooでの検索結果を外部の開発者が多種多様な形で利用可能にするというものだった。
「アドレスブックは、第2弾の実績となる。2008年はこれからも実績を積み重ねていくつもりだ」とYeh氏は語った。
YOSは、Yahooを、無秩序に拡大はしているものの、インターネット内の孤立した領域にしておくのではなく、他のネット活動との結びつきを拡大しようとする取り組みだ。このオープン戦略を通じて同社が描いているのは、外部のプログラマーがYahooサイト上でウェブアプリケーションを構築したり、Yahooのさまざまなサービスが外部のアプリケーションに統合されたり、Yahoo内のソーシャルコネクション情報がさらに幅広く利用されるようになる、という未来像だ。
Yahooがオープン化の試みに成功し、開発者の関心を呼び込んで新たな開発の拠点としてさらに活性化するかどうかはまだわからない。Yahooの数々の施策は、補完的なものもあるが、大部分は他社と競合するものだ。また、同様の取り組みをFacebookやGoogleといった競合他社も実施しており、さらにはWeb2.0系の小さな新興企業にもこうしたことに取り組んでいるところはいくらでもある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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