PRADA phoneの最大の特徴は、端末の表面に3つしかボタンがなく、後はディスプレイを直接触るタッチパネルで操作する点だ。iPhoneやiPod touchと同じように、メニュー画面を指でタッチして選んだり、文字入力やダイヤルキーは画面に表示されるヴァーチャルキーパッドで操作する。
iPhoneのタッチセンサーと違う点は、静電式ではなく感圧式である点。iPhoneは肌が触れなければ反応しないため、爪の長い女性がついつい詰め先で画面を押して反応せずに困っているシーンが米国でもよく見かけられた。しかしPRADA phoneは感圧式。そのため爪先で押してもキチンと反応し、むしろ爪での操作の方が快適なくらいだ。
タッチが認識されると、端末が1回微動する。エレガントな細かい振動で、タッチのフィードバックをしてくれるため、認識されたかどうか画面を中止していなくてもわかるようになっている。
爪先で操作できるため、タッチペンでの入力も可能。タッチペンはストラップとして付属してきて、引き伸ばすと質感の良いメタルなペンを使うことができる。文字入力やメニュー選択に利用できるほか、手書きメモのアプリでお絵かきをすることもできる。もちろん保存した手書きメモは、メールに添付できるため、デコメールに「手書き」という新たな楽しみを加えることができる。
感圧式であるため、前述の革のケースの上から押されても反応してしまう。しかし端末には細かい間隔でのオートロックの設定が可能であるため、誤動作を心配することなく鞄に入れて持ち運べばよい。
ここで、iPhone・iPod touchのタッチセンサーとの使い勝手の比較。まずタッチ操作はiPhoneに軍配が上がる。ディスプレイの中の動きや指でなぞる動作、スクロールなどのスムーズさ、反応の良さ、心地良さは、iPhoneの方が上だ。
アイテムの選択の際に、1回押すのか、2回押すのか、といった使い分けがイマイチ把握できず、反応しない端末をしばらく待ってしまう、なんてことも起きた。またスクロールさせる際には、パネルに触れているのではなく、少し力をかけた状態でなぞる必要があるため、感覚がつかみにくい。
しかしこれまでのケータイの操作感を踏襲しているのはPRADA phoneだ。日本語の文字入力はヴァーチャルフルキーボードではなく、ひらがなが書かれたテンキーが表示されて、これまで通りの日本語入力が可能。連打にもちゃんと付いてくるのでストレスは少ない。
また漢字の候補選択をしようとする際には、候補表示の領域が拡大されるため、iPod touchの日本語入力のように押し間違いをしにくい工夫がされている。絵文字の選択時にも拡大されるため、素早く的確にタッチできる。
URL入力などの場面が多いiPhone・iPod touchでは、ヴァーチャルフルキーボードの便利さを体感できるが、ケータイメールをたくさん打つユーザーにとっては、PRADA phoneのような既存のテンキーのシミュレーションの方が便利ではないだろうか。
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