財団法人日本産業デザイン振興会は5月28日、NTTレゾナントと共同で実施した「デザインに関する意識調査」の結果を発表した。
第2回となる今回は、「企業のデザイン力」という視点で、生活者が「デザイン力がある」と考えている企業のランキング調査を実施した。
まず、何の与件もない状態で、知っている企業名やブランドなどを思い出して回答してもらう「純粋想起」という方法により、デザイン力があると思う企業名を3つまで自由に記述してもらったところ、1位がソニーで275人、2位はアップルで219人、3位がトヨタ自動車で114人となった。
次に、回答の手助けとなる選択肢などを先に与えて回答してもらう「助成想起」という方法によって、国内外の企業127社の社名を五十音順で先に例示し、デザイン力があると思う企業を上から順に5つ選んでもらい、1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として集計したところ、1位がアップルで1397ポイント、2位がソニーで1385ポイント、3位がトヨタ自動車で758ポイントという結果となった。
トップ3以外を業界別にみると、クルマ業界では日産自動車(純粋想起:6位、助成想起:16位)、家電業界ではシャープ(同4位、同8位)と松下電器産業(同5位、同12位)、生活関連業界では良品計画(同14位、同4位)と資生堂(同6位、同10位)、食品業界ではコカ・コーラ(同10位、同6位)、携帯キャリアではSoftBank(同9位、同11位)とKDDI(同13位、同9位)、アミューズメント・スポーツ業界ではオリエンタルランド(同20位、同5位)とナイキ(同19位、同7位)が、いずれかの設問においてベスト10に入っている。
これらの企業は、生活者にとって身近で幅広い支持を受け、ブランド力もある企業だが、いずれもデザイン力がブランドロイヤリティや企業価値の向上に大きく寄与していると推測される。
また、それぞれの設問で、その企業を選択した理由を記述してもらい、全ての理由記述の中で用いられたワード(単語)の出現頻度を「名詞」「形容動詞」「形容詞」に分けて集計したところ、名詞では、「デザイン/意匠」(1335件)の次に「商品/製品」(425件)が多く出現し、プロダクトを通してのデザインが第一にイメージされていることがわかった。
個別商品名では、アップルの「iPod」(156件)とソニーの「VAIO」(67件)が上位に挙っており、その企業を象徴する商品が、企業のデザイン力認知を大きく牽引しているようだ。
「CM/広告/コマーシャル/宣伝」(233件)も多く出現し、デザイン力の浸透には製品・サービスと一体となった表現力の高いコミュニケーション活動が大きく影響していることがわかる。
また、「シンプル」(213件)、「斬新/独特/ユニーク」(197件)、「イメージ/印象/雰囲気」(166件)というワードも多く、これらがデザイン力の訴求に必須な要素であることが推測される。特に「斬新/独特/ユニーク」は、類する意味の「個性/独創/オリジナリティ」(74件)と合わせると出現頻度はとても高く、デザイン力の訴求の中でも特に重要な要素であることがうかがえる。
製品ジャンルでは「パソコン/PC」(166件)、「携帯/モバイル」(149件)のワードが多く出現していることから、これらの製品群のデザインが企業選択の際にイメージされやすかったとみられる。
調査は4月10日から15日にかけて、NTTレゾナントが運営するインターネットアンケートサービス「gooリサーチ」の消費者モニターを対象に、非公開型インターネットアンケートで実施された。有効回答者数は1060名。
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