カリフォルニア州マウンテンビュー発--Microsoftの研究者らは米国時間5月22日、デジタルデスクトップディスプレイやデジタルウォールディスプレイを両手で操作するための、新しい低コストの手法を披露した。
このLaserTouchと呼ばれるプロトタイプは、コンピュータビジョンの専門家であるAndy Wilson氏の最新の発明だ。Wilson氏は、Microsoftの研究機関であるMicrosoft Researchのレドモンドキャンパスに勤務する研究者。Wilson氏はこれまで、MicrosoftのSurfaceコンピューティングなど、複数のプロジェクトに携わってきたが、最近は、デスクトップやプロジェクタなど、あらゆるディスプレイを改良することを可能にするセンサ技術システムの開発に取り組んできた。このシステムを利用することにより、ユーザーは、マウスではなく自分の手を使ってコンピュータを操作できるようになる。
このシステムは、ソフトウェアを操作するため、低価格の赤外線カメラとレーザーを利用して、ユーザーによる画面の接触を追跡する。その結果、ネットワークコンピュータ上で友人と仮想チェスを楽しんだり、PowerPointを利用した、より分かりやすいプレゼンテーションが可能になる、とWilson氏は語る。
Wilson氏は22日、Microsoftで行ったLaserTouchのプレゼンテーションで、「これは単純な技術だ」と語った。また同氏は、低価格のカメラやレーザー装備にも言及したが、肝心な部分は同氏が開発したソフトウェアにあると述べた。
Microsoftは22日、同社のシリコンバレーキャンパスで、2001年に同キャンパスがオープンして以来4度目となる「Microsoft Research Road Show」を開催した。同イベントでは、同社が取り組んでいる研究の成果や、研究所が開発した新技術のデモが行われ、報道機関や学界、高校生、業界に公開された(Microsoftは、レドモンドとマウンテンビューに研究所を所有し、さらに夏にはマサチューセッツ州ケンブリッジにも新研究所を開設する)。
LaserTouchは、Microsoft Researchが開発した最新のプロトタイプだが、研究者らは、同社の研究所が以前発表した他のプロジェクトも発表した。その中には、科学者および一般人向けの仮想望遠鏡ソフトウェア「Microsoft WorldWide Telescope」も含まれていた。
また研究者らは、Microsoftのゲーム機Xbox 360のコントローラを使用する「Boku」と呼ばれる子ども向けのプログラミング言語のプレビューを行った。この技術は、子供たちがゲームの中で、HTMLの代わりに目で見えるキューカードを使って仮想ロボットを操作できる(プログラムできる)というもの。
LaserTouchは「安価な」マルチタッチ型センサー技術と言われているが、Wilson氏は、同システムの価格が実際どの程度になるかは明らかにしなかった。同氏は、LaserTouchにはまだ複数の問題が存在するなどとして、現時点で製品化の予定はないと語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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