最大手のオンライン広告サイトであるCraigslistが、eBayを相手取って訴訟を起こした。しかし、この動きについて驚く人はほとんどいないだろう。
サンフランシスコのカリフォルニア最高裁判所に米国時間5月13日に提出された訴状のコピーによると、CraigslistはeBayを不正な競争、独占情報の不正使用、虚偽の広告、受託者の義務違反で訴えている。Craigslistは裁判所に対して、eBayがCraigslistの持ち株を手放すよう強制して欲しいと求めている。
eBayはCraigslistの少数株主であるが、両社はeBayがCraigslistと競合するKijijiの米国版を開設してから、互いに火花を散らすようになっている。しかし、最大手のオークションサイトと広告サイトの間の対立関係は、eBayが4月にCraigslistを相手取って訴訟を起こすまでは穏やかだった。eBayはこの訴訟でCraigslistがeBayの持つ28%の株式を希釈しようとしたと主張した。
eBayは訴状の中で、今回の動きはCraigslistの創設者であるCraig Newmark氏と最高経営責任者(CEO)であるJim Buckmaster氏によって画策され、Craigslistの取締役会からeBayを排除することが目的だったと訴えている。
eBayは13日、「われわれは、Craigslistが自社の取締役会が取った行動から世間の注意をそらす目的で事実無根の主張に訴えざるを得ないと考えていることを遺憾に思う」との声明を発表し、さらにCraigslistとeBayは「互いに競争し合う絶対的な権利」を持っていることで常に合意してきたと付け加えた。
両社は、eBayが2004年8月にCraigslistの少数の株式を取得して以来、比較的穏やかに共存してきた。eBayが2007年夏にKijijiを開設したときも、Buckmaster氏はCNET News.comに対して、競争相手が取締役会にいることを心配してないと語っていた。eBayが裁判所に提出した文書によると、Buckmaster氏はそれからわずか数週間後に態度を変え、eBayに対してCraigslistの株式を売却するように要求した。
eBayの当時のCEOであるMeg Whitman氏は株式の売却を拒否したが、Buckmaster氏の心境が変化した理由についてはCraigslistの訴状で説明されている。
Kijijiを米国でオープンするまでの数カ月間に、「eBayは株主の立場を利用してKijijiの立ち上げや運営を担当する人物をCraigslistの取締役会に送り込んだ」とCraigslistは訴状で訴えている。
Craigslistはまた、eBayはCraigslistのマネージャーたちに「しつこく迫り」、「非競争的な目的に使用可能なCraigslistの機密情報を提供するように不適切に要求した」とも訴えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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