[レビュー]一番小さなホームシアター--パイオニア、サラウンドヘッドホン「SE-DRS3000C」 - (page 3)

パイオニア
SE-DRS3000C
内容:9.1chの重厚長大なシステムから、2.1chのコンパクトサイズまで、ホームシアターは今、あらゆる方向に商品を展開させている。その中でも最もシンプル&コンパクトな商品として展開しているのがサラウンドヘッドホンだ。パイオニアから登場したサラウンドヘッドホンは2.4GHzのワイヤレスシステムで、より使いやすく、高音質にホームシアター環境を整備してくれる。

2.4GHzデジタル無線伝送方式採用で、視聴スペースがフリーに

 他の人と一緒に聴く場合はヘッドホンの増設を行うことができる。増設台数に制限はない。増設用ヘッドホン「SE-DHP3000」は単品販売も行なわれ、価格は2万6250円となっている。

 従来の赤外線方式から、2.4GHzデジタル無線伝送方式に変更されたメリットはサービスエリアの拡大だ。赤外線方式ではトランスミッターの正面でしか聴くことができなかったし、遮蔽物があると使用できなかった。無線方式になったことで部屋を移動しても、途切れることなく聴ける。

 伝送距離は約30mとなっているが、筆者のマンションでは、南側のリビングにトランスミッターを設置して、北側の玄関まで聴くことができた。距離にして10mチョット。映画の場合スクリーンの前から離れては意味がないが、音楽を聴きながら、冷蔵庫を開けて何か飲んだりしても音が途切れないのはチョットした快感だ。

 SE-DRS3000Cでは電波干渉による音切れを少なくするため、周囲の電波状況を監視し、3つのチャンネルから最適な周波数を自動的に選択し、連続3回の伝送を行う「3×3送信システム」を採用している。

 ではエリア内なら音切れがないかというと、最大の敵は電子レンジだ。電子レンジの前では確実に音切れする。簡単な実験だが1000W、500W、200Wと切り替えると、レンジ出力が大きいほど広い範囲で影響を受ける。自分で電子レンジを使わなくても、映画を観ている途中で突然音切れし、「なんだなんだ」と振り返ると家族が電子レンジを使っているというケースは何度もあった。

  • 電子レンジのほか、無線LANにも影響を受けそうだ

 電子レンジほどではないが、無線LANも影響を受けそうだ。たまにプチっとノイズが入るのが少々気になった。筆者の家の場合、自宅内にアクセスポイントが2つ、他人のアクセスポイントは何個も検出できる。自宅のアクセスポイントは止めることができるが、他人の家の無線LANは止めることができない。そのため原因が無線LANなのか否かの切り分けができなかった。ヘッドホン使用時に無線LANが途切れたりすることはなかったので、逆の影響は心配する必要はなさそうだ。

 問題点と言うほどではないが、深夜に映画に没頭していて、フッと気付くと背後に息子が立っていて、ホラー映画なみにビクっとすることがあった。家族が近くに来ても、ドアが開く音くらいではまったく気付かないので、この辺りを何か対策したいと思っている。

 ここ数年DVDをレンタルすることがほとんどなかった。理由はレコーダーを使うようになって、地上波、スカパー!等で録りまくったドラマやスポーツを消化するのが忙しかったからだ。SE-DRS3000Cを評価するために、久々にDVDをレンタルし10作品以上映画を観た。最初は仕事のためと思ったが、深夜でも迫力ある音で観られるので、あらためて映画がを観ることの楽しさを実感した。

SE-DRS3000Cの実売価格は3万9800円。本格的AVアンプにスピーカー等を購入するより、一桁安い価格で導入することが可能だ。その本格的なシアターシステムを気兼ねなく鳴らせる部屋は、三桁以上高い金額を投入しないと実現できない。映画を楽しむという観点でみれば、極めてコストパフォーマンスは高いのがサラウンドヘッドホンだ。SE-DRS3000Cは、初めてサラウンドを導入する方にも、既にシアターシステムを導入している方の深夜用としてもお奨めできる製品だと思う。

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