サンフランシスコ発--Javaの生みの親、James Gosling氏がTシャツを次々と観客席に飛ばしたり、大勢の人たちがホットダンスを踊ったりするパフォーマンスに続き、75時間に及ぶ「2008 JavaOne Conference」が米国時間5月5日、当地で始まった。Sun Microsystemsのソフトウェア担当責任者、Rich Green氏は、登壇して消費者に言及し、同氏が消費者を変化の推進役として見ていると語った。
「情報は堀を渡り、城から脱け出した。プライベートな情報ネットワークはなくなってしまったのだ」とGreen氏は述べた。また、企業が認識すべきなのは、彼らが堀で作った防御線が、消費者が推進するイノベーションによって壊れつつあることだ、と付け加えた。
消費者がイノベーションを起こせるようにするSunの取り組みの一環として、Green氏は「JavaFX」を紹介した。JavaFXは、Adobe Systemsの「Adobe Integrated Runtime」(AIR)やMicrosoftの「Silverlight」と競合するリッチインターネットアプリケーション(RIA)開発環境だ。
Green氏は、ブラウザに表示したFacebook内でFlickrとTwitterのフィードを実行するJavaFXアプリケーションを披露した後、そのアプリケーションをブラウザからドラッグしてデスクトップに張りつけた。また、同じアプリケーションがJava対応携帯電話上で「JavaFX Mobile」を介して動作する様子も披露した。
残念なことに、新しい「Java Update 10」ブラウザプラグインを使ったアプリケーションはクラッシュの連続だった。「原因は、会場のMoscone Centerの回線容量だ。これぞまさに、Moscone特有の恐怖の瞬間だ」と、Green氏は不満そうに述べた。
Sunは、22億台のモバイル機器とデスクトップPCの大部分をJava対応にしたいと考えている。JavaFXがGoogleの携帯プラットフォーム「Android」上で動作する様子も披露したGreen氏は、携帯電話の85%、デスクトップPCの91%、それにBlu-ray Discプレーヤーの100%でJavaFXが動くようになると述べた。
Sunはまた、JavaFXをクラウドから提供し、蓄積されたユーザーアクションデータをJavaFX経由で集めて開発者側に返すことも計画している。この機能は広告や顧客への情報提供に利用できる、とGreen氏は説明した。
Sunは、「JavaFX Desktop」の最初のバージョンとブラウザを2008年秋に提供する計画で、モバイル版は2009年春を予定している。開発者たちは、これより早い時期にJavaFXランタイムを入手できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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