新製品や新サービスにはじまり、企業の発表を外部に発信する広報業務。特にベンチャー企業ではその存在は重要なものです。
しかし、ベンチャー企業の経営管理部門の支援業務をしていると、広報業務に関する大きな誤解がしばしば見受けられます。この連載では、そんな広報業務の重要性やその効果、具体的な広報の方法などを解説していきたいと思います。第1回目となる今回は、まずは原理原則論としての「広報」と「広告」の違いについて考えていきたいと思います。
そもそも広報、広告ともに、同じ受信者が目にすることになります。必ずその受信者は、エンドユーザーであり、企業からするとお客様になりえる人がそれに該当します。ともなると、広報と広告の決定的な違いは、受信者に伝える発信者に違いがあります。
受信者の立場では、広告として企業からの売り込みをかけられるよりも、第三者の社会/メディアからの発信の方が安心するという効果があります。
たとえば、ポータルサイトのトップページにダイエットグッズのバナーがあっても興味がなければクリックしません。しかしそれが、会社の同僚から「○○ってダイエットグッズがすごく効果があるってテレビでみましたよ…」などと言われてしまうと、その商品が気になってしまうものではないでしょうか。
そういった観点からも、ベンチャー企業側では圧倒的に「広報」のほうが魅力的に見えます。ですので「どんどん広報しましょう」と言いたいところではありますが、広報というのは広告と違ってお金で買えないところが難しいところです。
なぜならば、発信者が社会/メディアといういわゆる公共機関に近い存在だからです。従って、社会的に意義があることでなければ、社会/メディアはなんら興味を示すはずもありません。よって、仮に取材をうけたとしてもそれが掲載されるかどうかは発信者であるメディアの人間が判断するところによってしまいます。とはいえ、ベンチャー企業にとって広報というのは非常に強力な武器になることは間違いありません。
例えば、あなたの会社が新商品を発売することになり、それに当たって広報活動を実施したとしましょう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」