Otellini氏が決算発表後の電話会見で語ったところによると、第1四半期はサーバ用プロセッサが、特に米国で堅調だったという。PCおよびサーバ業界にとって最も大きな得意先となる金融界が信用収縮に直面して、PC出荷の低迷が懸念されたが、そのような心配はDEGの強いサーバ売り上げで払拭された、とOtellini氏は述べている。
サーバ売り上げが好調だったのは、GoogleやAmazon.comのような企業がクラウドコンピューティングなどの構想を実現するため、大規模なデータセンターの拡張を続けていたためもある、とOtellini氏は説明した。Otellini氏は、Intelがこれらの企業に直接部品を販売している点を強調した。こうした直販は、Intelにとって新しい販路ではないが、最近の数カ月で拡大してきたのかもしれない。
PC分野では、ノートPCの成長が非常に順調で、逆にデスクトップPCの成長が非常に低調なため、Otellini氏は、ノートPCとデスクトップPCの逆転がいよいよ2008年に起こると予測している。2009年までにノートPCの出荷台数がPCの出荷台数の過半数を占めることはないと予想されるが、堅調な伸びと低価格の「Netbook」に対する関心で、Intelは2008年、重要な節目を迎える可能性もある。
Otellini氏の発言でほとんど触れられなかったのが、Intelの唯一にして最大のライバルであるAdvanced Micro Devices(AMD)が苦境に立たされていることだ。Intelより規模の小さなAMDは、Intelが非常に明るい展望を掲げているのと対照的に、事業分野全般で需要が低迷したのを受けて、10%の人員削減を行うと発表している。
もし、AMDがもう少し良い業績を達成していたら、Otellini氏はグローバルなマクロ経済環境にこれほどの確信を持っていられただろうか、という疑問は残る。AMDのクアッドコアサーバ用プロセッサ「Barcelona」が、予定より1年遅れてようやくエンドユーザーの手元に届き始めた。Intelは、ノートPCの分野でもAMDよりはるかにいい位置につけている。AMDは4月17日、第1四半期の正式な決算を発表する予定だが、そのときになれば2008年末までの計画もより詳しくわかるだろう。
Intelの側にも、第1四半期は1つだけ不安要素があった。低迷するフラッシュメモリ事業だ。Intelは、同四半期中にSTMicroelectronicsと共同でNumonyxという新しい合弁会社を設立し、NOR型フラッシュメモリ資産を売却した。しかし、同社は依然として、Micron Technologyとの合弁事業を通じてかかわっているNAND型フラッシュメモリ市場の不安定な動きに影響を受けている。
Otellini氏によると、IntelとMicronは、供給過剰の現状を受けて、シンガポールにチップ工場を新設する計画を取りやめる予定だという。また、Intelは2008年いっぱいこの供給過剰が続くと見ていると、同社の最高財務責任者(CFO)を務めるStacy Smith氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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