ブラザー工業(小池利和社長)は4月11日、メガネ型RID(Retinal Imaging Display=網膜走査ディスプレイ)で超小型モデルの試作機を発表した。従来の試作品は人が覗き込むタイプの大型装置だったが、今回、体積・重量比で 1000分の1以下まで小型・軽量化を実現したもの。解像度は800×600ドットのSVGA。フレームレートが約60Hz、画角は約20度×15度で、メガネ装着部・ハーネス除く重量は約25g。
RIDは、直接網膜に光を当てて高速で動かすことで、あたかも目の前に映像が存在しているかのように見えるディスプレイ。目に入れても安全な明るさの光を使い、残像効果を利用して映像を投影する。網膜に投影された映像は「視覚」として認識される。
液晶画面などを用いた一般的なHMD(Head Mounted Display=ヘッドマウントディスプレイ)と異なり網膜に直接映像を投影するため、RIDの画像を実際の視野と重ねて見られる特徴がある。さらに他人には画像が見えないため公共の場所などでも機密情報も閲覧できる。メガネ型のコンパクトサイズでありながら、大画面の映像を見ることが可能。
同社では「2010年ごろには、産業用などから市場投入する見込みで、価格については未定」(広報)としている。
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