ワシントン発--暗視カメラや迷彩服はたぶん、近所のWal-Martでも購入できる。しかし米議会の指導者たちは米国時間4月10日、軍の支給する「扱いに注意を要する」装備品がeBayやCraigslistといったウェブサイトでテロリストに転売されている可能性があるとの報告に懸念を表明し、こうした売買を禁止する新しい法律が必要だと述べた。
主に政府の「覆面」捜査官がこれら2つの大手サイトを1年間にわたって調査して購入した多くの軍用品の中には、F-14戦闘機のアンテナ(現在、F-14を使用しているのはイランだけだと委員会は指摘している)、暗視ゴーグル、「敵と味方を区別する」ために兵士がつける赤外線標章、米陸軍の戦闘服一式、防弾ベスト、戦闘用非常食(MRE)などがあった(米政府説明責任局の報告書全文はここをクリック)。
今のところ、オンラインでもオフラインでもこうした軍用品を販売することは必ずしも違法ではないが、一部の品目については軍の側に処分方法を制限する規定がある。
「さほど想像力を働かせなくても、こうした軍用品がオンラインで販売されているのが問題だということは理解できる」と、米下院国家安全保障小委員会の委員長を務めるJohn Tierney議員(民主党、マサチューセッツ州選出)は述べた。同小委員会はこの問題について調査するよう求めている。
Tierney議員は、米軍の戦闘服を着た武装勢力メンバーがイラクで治安部隊を襲撃し、5人の米兵を殺害した1年ほど前の事件を引き合いに出した。ただし、武装勢力がどこで米軍の戦闘服を入手したかは不明だ。
また同小委員会の指導者たちは、戦闘行動に使用しうるものであるにもかかわらず、税金が投じられた軍用品が営利目的で再販されていることに対して怒りを表明した。
同小委員会は、Craigslistの最高経営責任者(CEO)であるJim Buckmaster氏とeBayの政府関係業務責任者であるTod Cohen氏をワシントンに呼び、公聴会で厳しく追及する構えを見せていた。しかし、実際の公聴会はかなり穏やかな調子で進められた。Tierney議員は質疑の終わりに、両社は慎重な扱いを要する軍用品をサイトから締め出すために「大いに努力している」と称賛し、規制のためのルールが必ずしも明確でないことを認めた。
Buckmaster氏とCohen氏は、何を売るのが違法で何が違法でないか、軍用品に関して明確なルールを決めるという考え方を支持するとしながらも、Cohen氏は、新しいルールはオンラインだけでなくオフラインにも適用しなければならないと強調した。Buckmaster氏は質問に答えて、「たとえば、支給されてから50年未満の軍用品の販売を禁止する法律を制定する」こともできるのではないかと提案した。
Tierney議員は、明確に売買が違法とはされていないこうした軍用品について、販売できないとユーザーに告げることに両サイトが「無理」を感じる理由は理解できると述べた。こうした軍用品の「販売を禁止する法律がこれまでなかったことにいささか驚きを感じる」と、Tierney議員は発言した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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