オークファンは、国内・海外オークションサイトに掲載された商品の総合的な相場検索サービスを展開する国内唯一のベンチャー企業だ。
同社社長の武永修一氏は、2007年6月までEコマースをメーンとするデファクトスタンダードの創業社長だったが、オークファンの新設分割に伴い、社長の座を主要株主でもあるネットプライスドットコム社長の佐藤輝英氏に譲り、オークファン社長に就任した。武永社長に、オークファン設立の経緯や今後の展開などについて聞いた。
2001年あたり、私が個人事業主だった頃に、オークションで出品する時に利用していた「オークション統計ページ(仮)」という有名なサイトがあったのですよ。そのサイトは、ある方が開発・運営していたのですが、非常に利用者が増えていました。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったIT業界の数々の企業が、そのサイトを買収したがっていると話も聞いていました。
しかし運営者は非常に優秀で人柄も素晴らしい方だったので、「条件面の話ではなく、このサイトをうまく育てられますか」いう思いで取り合っていなかったそうです。そのときちょうど私たちが相談に行き、「我々なら育てられます。なぜならこのサイトを利用してきたユーザーだからです。このサイトをさらに伸ばすことに、誰にも負けない熱意があります。安心して任せてください」と申し込んだのです。
そうしたら、その方は気に入ってくれまして、「では、あなたたちにお譲りしましょう。頑張ってください。僕は今、ゲーム系の新規事業の立ち上げを一人でやっていて忙しいので」とおっしゃり、サイトを譲渡してくれたのです。それが現在の「オークファン」の始まりです。そのとき、その方が一人で準備していた新規事業が実は、「モバゲータウン」だったのですよ。(編集部注:「モバゲータウン」の正式オープンは2006年2月7日)
「Yahoo!オークション」(ヤフオク)、「モバオク」(auオークション)、「楽天オークション」、「ビッダーズ」などの国内主要オークションサイトをはじめ、「アマゾン」(Amazon.co.jp)、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」の商品を検索できます。また、米国最大手のオークションサイト「eBay」(イーベイ)と今後は「sekaimon」(セカイモン)の商品検索も可能です。
単に検索するだけではなく、出品商品の一括比較や、過去に落札された商品の相場検索もできるのです。社内に保有するデータベースは約3億件(流通総額2兆円)を超えており、他に類を見ない事業モデルといえます。
オークションで商品を出品したいユーザー様は、「オークファン」で同じような商品が過去にいくらくらいで落札さていたのかという相場をチェックできるので、そのデータを参考にして出品すれば、利益額や落札率をアップできるわけです。また、各オークションのカテゴリごとの出品数推移や平均落札額などのデータ閲覧も可能ですし、仕入れ前の価格調査や統計の作成もできます。
ネットで商品を購入したいユーザー様は、「オークファン」で国内外合計13サイトのオークションサイトやショッピングサイトの商品を、一括で比較できますので、安い商品を探せます。また、次に自分がネットでも実店舗でも欲しい商品を見つけた時、いくらまでなら相場より安いかが分かります。
さらに「オークファン」では、ネットオークション関連の便利ツールを多数ご提供しています。
また、近々本格リリースを予定している有料会員向けサービスによって、より詳細なデータや高度な出品ツールや検索ツールを提供していく予定です。
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