[レビュー]デジタル化はノイキャンの“決め手”となるか?--ソニー「MDR-NC500D」 - (page 4)

ソニー
内容:昨年に引き続き今年も数多くのヘッドホンメーカーから新製品が登場しているノイズキャンセリングヘッドホン。この技術に長年取り組んできたソニーが今年発売したのは世界初のデジタルタイプ「MDR-NC500D」だ。電車内、飛行機、オフィスなど騒音の種類を聞き分けるAI機能を搭載し、一段上行くノイズキャンセリング領域へと踏み込んだ。

ヘッドホンとしての再生力に優れ、高い解像感

  • 艶やかな光沢処理が施されたハウジングには高級感が漂う。個人的にはつや消しが好みなのだが……

 次に音質だが、筆者はNC機能よりも、MDR-NC500Dの音楽の再生音質に驚かされた。高域から低域まで、実にクリア。また音離れがよいのでしっかりとした解像感が感じられる。弦楽器の音には張りがあり、管楽器はきらびやかに響く。中低音がグズることはなく、小気味よい響きを送り出す。大げさではなく、高級ヘッドホンと互角に渡り合える音質だ。

 これにはNC機能も大きく貢献しているだろう。NC機能が雑音を軽減させることで、静かなリスニングルームを提供してくれているようだ。そこへ、解像感のある音楽再生をする。筆者はこれまでNCヘッドホンは騒音環境下で使う特殊なものであり、音質が多少劣化するのは仕方がないと割り切っていた。しかし、MDR-NC500Dの登場で、その認識は改めなければいけなくなったようだ。これなら、家でのメインヘッドホンとして使ってもよさそうだ。

バッテリ持続時間は約15時間と短め

 いいことずくめだが、気になる部分もある。まずバッテリだ。内蔵充電池で約15時間、バッテリパックで約10時間というのは、ヘッドホンとしてはかなり短い。まるで少し前の音楽プレーヤー並のスタミナだ。それだけDSPなど、デジタル回路を駆動するには電力を要するのだろう。次期モデルでは、倍ぐらいまで使用時間を延長していただきたいところだ。

 バッテリはできれば電池内蔵型の方が望ましかった。下の写真を見ていただきたいが、付属の専用ポーチには充電器、バッテリパック、交換用の電池と、まるで子ども時代に遊んだ「スパイアタッシュケース」のようにオプションがにぎやかに並ぶ。NCヘッドホンと言えば、旅行のお供に欠かせない製品だけに、使わずに持ち運ぶときもコンパクトにまとめられるデザインはできないものだろうか?

 また、ノイズキャンセリング機能の電源をオフにしている時は再生音が流れないので、通常のヘッドホンとして使用することができない。

  • 付属の専用ポーチ。電源、コントローラ部などを収納可能

  • ヘッドホンが収納されるとぴったりと収まる

  • 中にはバッテリケースなどの付属品がどっさりと入っている

  • パッケージは高級感が漂う仕上がりだ

  • ふたを開くと、マニュアルをいれたパッケージが顔を出す

ヘッドホンの基本を抑えた高機能モデル

 昨年発売された同社初の本格的なNCヘッドホン「MDR-NC60」が登場したとき、多くの人が肩すかしを食らったような気がしたはずだ。筆者もその1人で、スタンダードなヘッドホンでは数々の名機を送り出す同社なのに……と、あらためてNCヘッドホン作りの難しさを感じた。

 しかしMDR-NC500Dには“世界初のデジタル式NCヘッドホン”という鳴り物だけでなく、ヘッドホンに基本である音作りの部分にまで、十分な愛情が注がれている。いまNCヘッドホンを選ぶなら、真っ先に手に取るべき製品だと感じた。

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