ある情報筋からの話だが、Sun Microsystemsは、ポータブル機器向けのチップを開発した、多くの謎に包まれている新興企業のMontalvo Systemsの買収交渉を進めている。
今回の交渉は、Montalvoが実施した大規模レイオフに続く展開である。筆者は、米国時間3月31日にレイオフに関する噂を耳にしたが、その後すぐにレイオフが始まったことを伝え聞いた。Montalvoは、かつて7300万ドルの出資を受けたことがあったものの、さらなる1億ドル規模の出資金を求めて、投資家らの援助を模索し続けている。だが、まったくどの投資家も寄り付かなかった。
SunもMontalvoも、交渉に入っていることや、何らかの取引を進めていることを一切認めていない。正式な契約に至る前に、あらゆる取引が消え去ってしまう可能性はある。しかしながら、これが現段階での、信頼できる情報筋から得られた情報のすべてである。
Montalvoは、IntelやAdvanced Micro Devices(AMD)のプロセッサと同じソフトウェアを稼動させられるチップを設計した。Montalvoのチップの特異な点としては、4コアチップが非対称になっていることである。コアのうち2つは、大いにパワーを必要とするアプリケーションを稼動させる強力なコアとなっているが、他の2つは、より省電力設計となっている。Montalvoは、同社のアイディアに関する数件の特許を申請しており、その中で、最近いくつかの特許が公開に至っている。
だが、Intelに対抗するのは、決して容易なことではない。多くの企業が挑戦したものの、大半が惨めな失敗に終わった。とりわけIntelが、最新(モバイル)省電力チップをリリースしたばかりの今の時期に、Intelに対抗することに将来性を見出すのは難しく、これが多くの投資家が離れていった主な要因にも挙げられている。Montalvoがチップを設計し、富士通の製造ラインが確保されたとはいうものの、まだ実際には一片のシリコンも手にしていない状況である。
Sunが、どのようにMontalvoの技術を活用していくのかは定かではない。Sunは、IntelとAMDからチップを購入しており、特に自社チップ工場を所有してさえいないことからすれば、Montalvo製のチップを製造して、IntelやAMDに対抗することには、あまり興味がないだろう。とはいえ、Sunは実際に「UltraSPARC」チップの製造を手がけており、ハイエンドサーバの強化に使用することを望んでいる。おそらくMontalvo製チップのコンセプトが、Sunのチップに移植されることだろう。もっと重要なこととして、Sunは、Montalvoの開発者チームを手にすることになるのだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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