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ビジネスモデルの構築が最大の課題--ネット対応テレビの現在

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 家電がインターネットにつながることで、どんな新しい世界が生まれるのだろうか。こういった問題について議論するイベント「ネットと家電のキャズムを超えろ!会議 第一回」が3月27日、東京都内で開催された。これは、ネット家電ベンチャーの経営者で、家電業界やウェブ業界についての情報を発信するブログ「キャズムを超えろ!」を執筆する和蓮和尚氏(ハンドルネーム)の主催によるものだ。

 1回目となる今回は、テレビとネットの連携がテーマ。和蓮和尚氏のほか、ソニーコンスーマープロダクツグループUIセンター ホーム次世代UI開発部の岡本直也氏、メタキャスト代表取締役兼CEOの井上大輔氏が登壇した。

 和蓮和尚氏はまず、ネットに接続できるテレビやセットトップボックスなど、次々と登場している家電とネットが連携した製品やサービスについて紹介。テレビにおけるネットサービスの利用は今後非常に面白くなる分野であるとした上で、現状の課題として「対応するコンテンツのファイル形式が限られる」「動作が遅い」「情報が限られる」「ユーザーインターフェース(UI)が確立されていない」「異なるプラットフォームが乱立している」「種々の権利問題がある」などの点を挙げた。また「動画配信だけがテレビとネットの連携ではなく、何か面白い連携があるはず、また現状のハードとソフトでどういったことができるのかを議論したい」と会の趣旨を語った。

「100人が満足」から「1人が満足、を100個」へ

 次に登壇したのは、ソニーのテレビ「BRAVIA」に搭載されている「アプリキャスト」の開発担当である岡本直也氏。アプリキャストとはBRAVIAの2007年以降の全モデルに搭載されたウィジェット機能で、テレビを見ながらインターネット上のニュースやブログ記事、ゲームなどのコンテンツが無料で利用できるというもの。専用のサーバがらJavaScriptとXMLを使って作られたウィジェットをダウンロードし、それらがブログなど、外部のサーバにあるコンテンツを参照するという仕組み。開発にあたっては、動作を快適にしつつ、メモリ使用量をより少なくするといった家電ならではの苦労があったとした。

 岡本氏は「テレビの機能は、購入者の9割以上を満足させることを要求される。しかし、アプリキャストのウィジェットは、100人のうち1人でも気に入るものを100個集めるといった方向で考えている」とした。現在、アプリキャストで利用できるウィジェットは、ソニーが開発したものに限られるが、今後は開発キットを配布するなどして外部の開発者を募る計画といい、PC上でアプリキャスト向けのウィジェットを開発できるツールも披露した。

アプリキャスト 「アプリキャスト」を表示した様子(なお、著作権上の観点から、テレビ番組の部分は編集部でぼかしをかけています)

 続いて、メタキャストの井上氏が登壇。メタキャストはテレビ番組単位でブログを書いてもらい、それを集約するサービス「テレビブログ」や、PCで私的に録画したテレビ番組などの動画に、メタデータを付与して管理できるソフトウェア「TAGIRI」などを提供している。TAGIRIは、YouTubeやニコニコ動画などの動画サイトの動画をダウンロードできる「TAGIRIツールバー」で動画を取得し、管理する機能が好評だという。TAGIRIには動画視聴履歴をTAGIRIツールバーを通じて参照できる機能があり、同社では1億5000件の動画視聴履歴を取得しているとした。この視聴履歴は、同社が運営する動画視聴体験共有サービス「Mitter」での動画の表示順などにも活用されているとのこと。

 井上氏は、「ハードディスクの価格が年々安くなっている。ビデオデッキの時代は好きな番組だけを選んで録画していたが、HDDレコーダーではたくさん録画してあとから見るというスタイルになった。将来は、すべてのチャンネルの番組を全部録画できるようになり、膨大な時間の番組から面白いシーンだけを見るというスタイルも生まれてくるだろう。そうなると、メタデータによる検索や口コミが欠かせなくなるのではないか」とした。

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