オンラインゲームとコミュニティサービスのカンファレンス「OGC 2008」が3月14日、東京・千代田区のベルサール神田で開催。ソニー・コンピュータエンタテインメントHome(Japan)Project推進室 シニアプロデューサーの赤川良二氏が、開発を進めるコミュニティサービス「PLAYSTATION Home」の内容を紹介した。
赤川氏は「PLAYSTATION Homeとは、PLAYSTATION 3(PS3)とそのネットワークが作り出す仮想世界。ゲームユーザーに向けて、新しい世界を提供したい」と語り、Second Lifeに代表されるこれまでの定住型バーチャルスペースと大きな違いは「ゲームと人をつなぐゲートウェイになることだ」とした。
これまでは各ソフトが窓口となり、同じゲームをプレイするユーザー間のコミュニケーションを生んでいた。これに対してPLAYSTATION Homeは、ネットワークゲームすべてにつながるコミュニティとして機能する。例えばレースゲームなど、特定のジャンルのゲームを愛好するユーザーが集まり、好みのネットワークゲームを一緒に楽しもうと誘いかけることができる。あるいは、その場のコミュニケーションにより、他ジャンルのゲームへ移動することも可能だという。
PLAYSTATION Homeは、ユーザーのアイコンとなるアバターに力を入れている。Homeアバターの最大の特徴は、PS3のスペックを最大限に生かしたリアルなキャラクターが作成できることだ。テンプレートからある程度選別し、そこから微調整をして、自分の意にそったアバターを作れる。また複数のパターンを登録することにより、その日の気分に合ったビジュアルでHomeを訪れることができるという。
赤川氏は「システム開発が欧州で行われていたので、以前は表情に日本人らしさがなかったが、日本のチームと協議を重ね、かなり日本人の顔らしいアバターを作り出すことに成功した」と語りながら、その場で赤川氏にそっくりのアバターを即興で作るデモンストレーションを披露した。
また基本的なコミュニケーションツールとなるチャットにおいては、フルサイズのテキストチャット、いくつかの定型文であいさつするクイックチャットに加え、ボイスチャットやジェスチャー機能を追加。ボディーランゲージで感情を表現する機能も備えており、それを発展させてアバターにダンスを踊らせることも可能だ。バーチャルスペースでの新しいコミュニケーションの形を提案している。
講演では「ミッドタウンをイメージして、洗練された都市の世界を作り上げた」というベータ版のデモ映像も公開した。内部は広大な領域を持っており、設置されているベンチに座るなど、自由に動き回ることが可能だ。それにより、ほかのユーザー出会えるという。赤川氏は「Homeの世界は、ぜひHD(高品位)画質で楽しんでもらいたい。皆様が想像する以上に、美しい世界を作り上げたという自負がある」と語り、映像の質の高さをアピールした。
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