米YahooとClick Forensicsは米国時間3月17日、クリック詐欺対策で協力すると発表した。
これまで、このクリック詐欺が原因で広告主が検索エンジンを提訴するケースが相次いできた。広告主側は、有料広告への不正クリックについても検索エンジンから料金を徴収されていると主張している。一方、検索エンジン側は、クリック詐欺の大半は発見できていると主張している。
そこで、Click Forensicsのような企業が存在する。Click Forensicsは、人々が広告を「クリック」した割合と、自動ソフトウェアボットがクリックした割合の追跡調査を行っている(同社は最近、1000万ドルの資金を調達した)。またClick Forensicsは、現在認識されているクリック詐欺の割合に関するレポートを定期的にリリースしている。それによると、2007年にクリック詐欺の割合は、2006年の業界の平均値から15%増加したという。また最新のレポートによると、Google AdSenseやYahoo Publisher Networkといった検索エンジンのコンテンツネットワーク上に掲載されているペイパークリック型広告の平均クリック詐欺率は、2007年第4四半期に28.3%を記録したという。
しかしGoogleは、Click Forensicsの調査方法は不完全であるとして、それらの調査結果を否定した。
Googleは、同社のクリック詐欺率は1桁台だと主張している。一方、Yahooは、同社のネットワーク上で行われた全クリックの12〜15%が詐欺的クリックとしているが、それらについては顧客に課金していないという。
しかし、実際のクリック詐欺率がどの程度かに関わらず、クリック詐欺は重大な問題であり、多くの集団代表訴訟を引き起こしたが、YahooとGoogleは解決してきた。
クリック詐欺を監視する独立の第三者機関の設置を求める声も上がったが、広告主は検索エンジンに対して自社のサーバデータを開示したがらず、一方の検索エンジンも広告主への自社データの開示を拒んでいる。
YahooとClick Forensicsの提携は、そうした方向への第一歩と見られる。またYahooはこれらのデータを開示することにより、クリック詐欺率に限らず、大半の事柄について極端な秘密主義を貫いているGoogleとの差別化も可能になる。
この点についてGoogleの広報担当者にコメントを求めたところ、次のような回答が返ってきた。「われわれは、サードパーティーがわれわれのデータや経験から学べるよう、多くのツールやサポートを提供している。また、日々彼らと協力し、クリック詐欺と思われるケースの調査など、広告主の投資利益率(ROI)の向上を図っている。AdWordsサービスを立ち上げて以来、サードパーティーと情報を共有し、連携してきた。そして常に、サードパーティをサポートするための追加的ツールの改善に取り組んでいる」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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